優勝はウメハラ選手率いるWash The Beastにーー【REJECT FIGHT NIGHT Round5・現地レポート】

優勝はウメハラ選手率いるWash The Beastにーー【REJECT FIGHT NIGHT Round5・現地レポート】
REJECT FIGHT NIGHT Round5はウメハラ選手率いるWash The Beastが優勝しました

2025年1月31日、新宿三角広場にて、REJECT主催のeスポーツイベント「REJECT FIGHT NIGHT Round5(RFN)」が開催されました。RFNは、『ストリートファイター6(スト6)』を使用したチーム対抗戦で、プロゲーマーやストリーマーで構成された招待制イベントです。

これまでのRFNはすべてオンラインでの開催でしたが、第5回目にして、初のオフライン大会となりました。

新宿住友ビルにある三角広場でRFNは開催されました
平日の昼間からの開催でしたが、多くの来場者が訪れました
優勝チームに贈られるトロフィー

RFNは6対6のチーム戦で行います。1回戦と3位決定戦はBO3の星取戦で行われます。3勝3敗になった場合のみ、BO1で大将戦がもう一度行われます。決勝戦のみ先に8勝したチームが勝利です。大将戦が終わったら再び先鋒戦に戻り、どちらかのチームが8勝するまで繰り返されます。

出場チームは覚醒六忍衆(もこう、天鬼ぷるる、よしなま、高木、ハイタニ、ももち)、Wash The Beast(ファン太、Zerost、ありけん、こく兄、なるお、ウメハラ)、プリンシパルがーるず☆(まざー3、ふらんしすこ、布団ちゃん、桃井ルナ、Ceros、立川)、赤ペンおじさん(わいわい、SHAKA、ろびん、しんじさん、たいじ、ふ~ど)の4チームです。(敬称略)

覚醒六忍衆
Wash The Beast
プリンシパルがーるず☆
赤ペンおじさん

どのプレイヤーもMasterランクに到達しており、中にはMR2000越えのレジェンドの称号を得ている人もいます。大将のみプロゲーマーで、ほとんどがストリーマーという布陣ながら、かなりハイレベルな戦いが期待できる面々です。

1回戦第一試合は覚醒六忍衆対Wash The Beast。試合前には、大会前日である1月30日にSengoku Gamingを脱退したZerostさんがREJECTへの加入を発表する一幕もありました。REJECTは同じく前日の30日に、『スト6』のプロゲーマーでUAE出身のAngryBird選手とBig Bird選手の加入も発表されていました。Zerostさんもそれを認知しており「バード兄弟の発表の後は重い、重い……」とコメントしていました。記念すべき日で勝利したいZerost選手でしたが、天鬼ぷるるさんの前に勝利を得ることができませんでした。

先日、Sengoku Gamingの脱退を発表したばかりのZerostさんですが、RFNでREJECT入りを表明しました

対戦は覚醒六忍衆の方が若干優勢のように見えていましたが、覚醒六忍衆は先述した天鬼ぷるるさんがZerostさんに勝利した1勝のみとなり、敗退しました。ちなみにチームの勝敗自体は、副将のハイタニさん対なるおさんの対戦で決しましたが、ももち選手対ウメハラ選手の大将戦も行われました。

レジェンドプレイヤーのももち選手とウメハラ選手の直接対決を目の前で観られる僥倖

1回戦第二試合はプリンシパルがーるず☆対赤ペンおじさん。先鋒戦で赤ペンおじさんのわいわいさんが勝利すると、交互に勝利し合うシーソーゲームに。勝利を先行させている赤ペンおじさんの副将のたいじ選手が宿命のライバルであるCeros選手を倒し、3勝目を挙げます。順番通りであれば、プリンシパルがーるず☆の立川選手が勝利し、イーブンに持ち込むところですが、ここはふ~ど選手がきっちり決めきり、赤ペンおじさんが勝利しました。三将の桃井ルナさんことベティちゃんは対戦相手がしんじさん。ランクこそベティちゃんの方が上ですが、しんじさんのザンギエフはベティちゃんのジュリと相性が良いので、一進一退の好勝負となりました。

ストリーマー頂上決戦のひとつと言えるベティちゃん対しんじさん

3位決定戦は覚醒六忍衆対プリンシパルがーるず☆。操作タイプをモダンからクラシックに変えて挑んだもこうさんでしたが、キャラ相性的には不利と言えるマリーザを使うまざー3に敗北してしまいます。次鋒からは覚醒六忍衆が怒濤の5連勝をし、3位を勝ち取りました。

3位決定戦も大将戦を待たずに決着しました

決勝戦はWash The Beast対赤ペンおじさん。先鋒戦で赤ペンおじさんのわいわいさんが幸先良く勝利しますが、次鋒戦からはWash The Beastが5連勝で一気に引き離します。再度、先鋒戦に戻り、わいわい選手が連敗を止めるもそこからWash The Beastが連勝し、優勝に王手をかけます。そこから三将のしんじさんが踏ん張り、こく兄さんに勝利しますが、副将のなるおさんが勝利し、Wash The Beastの優勝となりました。最後のなるおさん対たいじさんの一戦は最終試合に相応しい内容でした。なるおさんがテリー、たいじさんがA.K.Iとどちらも新たに導入したキャラで今大会は挑んでいます。最初のセットはなるおテリーが勝利し、2セット目はたいじA.K.Iが取り返します。ここで、なるおさんはキャラクターをチェンジ。メインキャラクターであるジェイミーを選択します。このキャラ替えがずばり的中し、たいじ選手を圧倒。2ラウンド連取で勝利しますが、2ラウンド目はジェイミーのCAでフィニッシュすると言うできすぎた結果に。画面上に出る“終劇”の文字で優勝が決まった瞬間は、会場が大いに沸きました。また、REJECTへの移籍と言う、ある種話題の中心となったZerostさんが決勝戦では2勝あげたことで、自らの晴れ舞台を潰さずに済んだことは、本人はもちろん、ファンも胸をなで下ろしたことでしょう。

なるおさんが勝利し、優勝の喜びを分かち合う格ゲーの王、ウメハラ選手

試合と試合の合間には15分のインターバルをとっており、余裕のあるイベント進行だったのは好感が持てました。インターバル中には物販エリアでの買い物やフォトスポットでの撮影などもでき、休憩以外にも楽しむことはできていたようです。

インターバルではフォトスポットで記念撮影するファンが集結していました

多くのファンが応援グッズを持ち寄り応援していたのオフラインならではの光景です。

倉持さんもふ~ど選手とベティちゃんの応援に駆け付けていました

この時期に三角広場で『スト6』のイベントというと、昨年のSFLグランドファイナルを思い出されます。その時は気温がかなり下がり、夕方からは猛吹雪になる悪天候でした。今回も週末には雪の予報があり、天候が気がかりでしたが、それほど寒くもなく過ごせたので、ひと安心といった感じです。

RFNとしては初のオフラインイベントとはいえ、平日の午後イチからの開催で、集客に少し心配しました。しかし、開催してみれば、会場はほぼ満席状態。改めて『スト6』やストリーマー、選手の人気の高さを感じたイベントでした。

eスポーツを精力的に取材するフリーライター。イベント取材を始め、法律問題、eスポーツマーケットなど、様々な切り口でeスポーツを取り上げる。ゲーム情報誌編集部を経て、フリーランスに。様々なゲーム誌に寄稿しながら、攻略本の執筆も行い、関わった書籍数は50冊以上。現在は、Webや雑誌、Mookなどで活動中。近著に『みんなが知りたかった最新eスポーツの教科書』(秀和システム刊)、『ゲーム業界のしくみと仕事がこれ1冊でしっかりわかる教科書』(技術評論社刊)。@digiyas

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