インドの特色豊かな歓迎!日本代表チーム「IGZIST」が挑んだ「Predator League 2026」現地レポート

インドの特色豊かな歓迎!日本代表チーム「IGZIST」が挑んだ「Predator League 2026」現地レポート

2026年1月7日から11日にかけて、Acerが主催するアジア・パシフィック地域のeスポーツ国際大会「The Asia Pacific Predator League 2026 Grand Finals」(以下、Predator League 2026)が、インド・ニューデリーにて開催されました。

本大会では、『VALORANT』と『Dota 2』の2タイトルを採用。『VALORANT』のトーナメントには、国内予選を勝ち抜いた「IGZIST」が日本代表チームとして出場しました。インド現地で取材した、「Predator League 2026」の模様をお届けします。

「Predator League 2026」の開催地に選ばれたインド・ニューデリー

今年の日本代表チームは『VALORANT』の1チームのみ

2018年にスタートし、毎年アジア・パシフィック地域のさまざまな都市で開催されている「Predator League」。今年の舞台は、インド・ニューデリーです。採用タイトルは、前年と変わらず『VALORANT』と『Dota 2』の2タイトル。『VALORANT』のトーナメントには、国内予選を勝ち抜いた「IGZIST」が日本代表チームとして出場しました。

これまで『Dota 2』のトーナメントには、国内で数少ない『Dota 2』で活動するメンバーを集めたドリームチームとして、「REJECT May」(プロチーム「REJECT」が「Team May」の出場をサポート)が挑んでいました。しかし、残念ながら今年の出場はなく、日本代表チームは『VALORANT』の1チームのみとなりました。

『Dota 2』は国内にプロシーンが存在しないため、「REJECT May」も専業プロチームではなく、社会人として仕事と練習を両立させながら活動していました。例年、大会のために何とか都合をつけて出場している状況でしたが、今年はメンバーをそろえるのが難しかったのでしょう。Acer Japanとしては今年も声をかけたそうですが、出場は実現しませんでした。

日本からインドへのフライトは、およそ10時間。日本との時差は、3時間半です。インドの空港に到着すると、「Predator League」の広告や大会専用シャトルがお出迎え。ホテルに着くと、「IGZIST」の選手たちは首飾りをかけられ、おでこに赤い印“ティラカ”をつけてもらうなど、インドならではの歓迎を受けました。

到着翌日は、大会用のオフィシャル写真などを撮影するメディアデー。その後、「IGZIST」はグループステージを戦うチームブースにて、試合本番に向けた練習を重ねていました。

空港に集合した「IGZIST」。およそ10時間のフライトを経てインドへ
インドに到着すると、空港内外で「Predator League」の広告が出迎えた
額につける“ティラカ”は、ゲストに対する敬意と歓迎の表現なのだそう
到着翌日はメディアデー。写真撮影のためにメイクを受ける「IGZIST」
大会用の撮影を終えた「IGZIST」。この後は試合に向けた練習へ

「IGZIST」惜しくも敗退、有観客ステージに届かず――

『VALORANT』のトーナメントには、全16チームが出場しました。グループステージでは、4チームずつ4グループに分かれ、Bo1の総当たりで対戦。各グループの上位1チームのみが、有観客ステージで行われるグランドファイナルズに進みます。

「IGZIST」の初戦は、 ベトナムチーム「Fancy United Esports」との試合でした。「IGZIST」が追いかける展開でオーバータイムに持ち込みますが、惜しくも12-14で敗北。続くインドチーム「S8UL」との試合は、終始リードした「IGZIST」が13-7で勝利します。最終戦のオーストラリアチーム「E-KING」との試合は、オーバータイムにもつれ込む激戦を迎え、15-13で勝利を収めました。

「IGZIST」は2勝1敗となりましたが、同グループの「Fancy United Esports」が3勝0敗と全勝を獲得したことで、グランドファイナルズへ進出。「IGZIST」はグループステージ突破ならず、敗退という結果になりました。「Fancy United Esports」との試合は、オーバータイムで決着した接戦だっただけに、惜しい敗退となりました。

■「IGZIST」グループステージ試合結果

IGZIST  vs  FCY(ベトナム)
カロード:12-14

IGZIST vs S8UL(インド)
ヘイヴン:13-7

IGZIST vs E-KING(オーストラリア)
ヘイヴン:15-13

大会専用シャトルで会場入りする「IGZIST」
「IGZIST」(左から)SID選手、kAyle選手、popogachi選手、oitaN選手、Frxeez選手
グループステージの試合は、ホール内に設営されたチームブースから出場
チームブース横のコーチ席で話し合うgainpeコーチとshoushiコーチ
グループステージの結果。各グループ上位1チームがグランドファイナルズへ進出

グループステージの全試合が終了すると、会場では撤収作業が始まりました。そこで目撃したのは、試合で使用したゲーミングPCとモニターをしまうために、ずらりと並べられた大量の箱です。

試合で使用されたゲーミングPCは、1台30万円相当とのこと。『VALORANT』と『Dota 2』で合わせて28チーム、各チーム選手5名とコーチ1名のPCが用意されていたことを考えると、出場チームのPCは全部で168台。それだけでも5,000万円分を超える計算になります。大会の開催には莫大な費用がかかっているのだということを、改めて感じる光景でした。

グループステージ終了後、撤去のために並べられたPCとモニターの大量の箱
試合に使用されたゲーミングPC「PREDATOR ORION 3000」。現時点では日本未発売

ベトナムチーム「Fancy United Esports」が優勝に輝く

グループステージ終了翌日には、ウェルカムディナーが開催され、インドの特色を全面に活かしたパーティが行われました。出場チームのほか、メディアを含む関係者にも、インドの伝統的な衣装である“クルタ”やストールがプレゼントされ、全員インドらしい装いで参加。毎年異なる都市で開催される大会だからこそ、その国らしさを体感できるよう工夫が凝らされていました。

インドで玄関などに描かれるという伝統的な装飾“ランゴリ”で歓迎
ウェルカムディナーでは、屋外に設けられたパーティ会場での催しも
インドの民族衣装を身にまとってウェルカムディナーに参加した「IGZIST」

そして、いよいよ有観客で行われる2日間のグランドファイナルズを迎えます。会場は、インド最大級のコンベンションセンター「Bharat Mandapam」。2日間のグランドファイナルズは、タイトルごとに日程が分かれており、『VALORANT』はグランドファイナルズ1日目に行われました。

準決勝からは、Bo3での対決になります。「IGZIST」を破ったベトナムチーム「Fancy United Esports」は、準決勝で韓国チーム「IAM」に対して2-0で勝利。決勝では「BOOM Esports」との対決を迎えます。「Fancy United Esports」は、この決勝でも2-0でのストレート勝利を披露。優勝に輝き、優勝トロフィーであるPredatorシールドと、賞金65,000ドル(日本円で約1000万円)を手にしました。

なお、グランドファイナルズでは試合の前後に、現地アーティストによるサンドアートや音楽ライブなども披露されました。さまざまなゲームや製品を体験できる企業ブースエリアも大盛況。来場者たちが企業ブースを楽しみ終えると、徐々にステージエリアに人が集まっていき、決勝の時間帯には客席後方までいっぱいに。会場は熱気ある盛り上がりに包まれました。

会場はインド最大級のコンベンションセンター「Bharat Mandapam」
有観客で行われた2日間のグランドファイナルズのステージ
現地の人気アーティストがゲストとして出演し、音楽ライブでも会場を盛り上げた
サンドアートといったインドならではの特色あるパフォーマンスも
さまざまなブースに行列ができ、大盛況だった企業ブースエリア
最新のゲーミングノートPCで『VALORANT』を体験する来場者たち
決勝が始まるころには、客席後方まで観客でいっぱいになっていたステージエリア
『VALORANT』の優勝に輝いたベトナムチーム「Fancy United Esports」

次回「Predator League 2027」はベトナムにて開催

大会最終日には、次回の「Predator League 2027」がベトナムで開催されることが発表されました。採用タイトルは毎年検討されているため、現時点ではまだ確定していません。ただ、Acer Japanによると『VALORANT』は、来年も引き続き採用される可能性が高い状況とのことです。

「Predator League」のグループステージは、1敗した時点で他チームの成績によって結果が左右されるため、自力で突破を決めるには全勝が必要です。さらにBo1での総当たりなので、1マップも落とせない難しさがありますが、それと同時に番狂わせも起きやすい大会です。

実際に、今回はVCT Pacificチームである「Rex Regum Qeon」がグループステージで敗退。一方で、ベトナムのChallengersチームである「Fancy United Esports」が優勝を手にしました。Challengers Japanのスケジュールとの兼ね合いが難しい面もあるのは確かですが、十分にチャンスがある大会なので、日本チームの積極的な挑戦に期待したいところです。

なお今回、インドという開催地もあって、日本チームは現地での体調管理に苦労していたようでした。勝ち進んでいれば、最終日までコンディションを維持しなければなりません。現地で何に気をつけながら過ごすべきか、自国から何を持ってきてどう環境を整えるのか。海外チームは勝つために、そういった部分も徹底しているという話を現地で耳にしました。

もちろんこの経験を次に活かすことも大事ですが、これ自体が年に1度しかない貴重な国際大会の機会です。悔いなく試合で全力を発揮できるように、チームがいかに選手たちをサポートするかも含め、日本チームが国際大会で勝つためのノウハウがしっかりと蓄積されることを願っています。

大会最終日、来年の「Predator League 2027」ベトナム開催を発表

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