【SFLプレイオフ開催目前特集】SFL2024これまでの振り返りとプレイオフの見どころ&予想!

【SFLプレイオフ開催目前特集】SFL2024これまでの振り返りとプレイオフの見どころ&予想!

8月から足掛け4ヶ月行われてきたストリートファイターリーグ:Pro-JP 2024(SFL2024)が11月22日に無事閉幕しました。ということで、今年のSFLの振り返りとプレイオフ、グランドファイナルに向けての予測や見所をチェックしていきます。

すでに何回かSFL2024の記事は書いたので、繰り返しとなりますが、今シーズンは2ディビジョン制、つまりふたつのディビジョンに分かれて戦います。Division SとDivision Fのふたつのディビジョンに6チームが振り分けられます。それぞれのディビジョンの上位3チームはプレイオフに進出し、12月21・22日に行われるプレイオフで各ディビジョンの優勝チームを決定します。そして2025年2月11日に行われるグランドファイナルにて日本一の座を争います。ちなみに日本一となると、CAPCOM CUPでSFLの世界大会であるSFL World Championship 2024で、SFL US、SFL EUと世界一の座を目指してしのぎを削り合います。

ということで、まずはDivision Sから。第6節までの折り返しの記事では忍ism Gaming(忍ism)がトップに躍り出て、Good 8 Squad(G8S)を逆転したところでした。忍ismは毎年スロースターターの印象で、その分、後半に巻き返しをしてくる傾向があるので、今年は早めに巻き返してきた感じです。しかし、その勢いは長続きせず、第7節から右肩下がりに順位を落とします。すぐに首位を取り戻したG8Sが最終節まで持ち込まれながらも1位通過を決めました。後半、尻上がりに調子を出してきたのはFUKUSHIMA IBUSHIGIN(IBSG)。八面六臂の活躍の翔選手に加え、ササモ選手とcosa選手に安定感が増したことで、一気に2位まで押し上げ、プレイオフに進出しました。3位に入ったのはSaishunkan Sol 熊本(SS熊本)。エースひぐち選手の大活躍のうえ、第9節でヤマグチ選手を倒したウメハラ選手の“王の帰還”で、ポイント的にも、チームの士気を上げる意味でも、プレイオフ進出に大きく寄与しました。終盤まで未勝利だったジョニィ選手ともっちー選手が勝利することができ、出場選手がすべて勝利できたのは観ている側ながらほっとしました。

Division Sの順位推移と最終順位

さて、プレイオフですが、2位と3位の勝者が1位と対戦する変則トーナメントです。順位が低い方がアウェイスタートになるので、1位のG8Sが有利となります。3位のSS熊本はIBSGに対して2戦2勝しています。とくにホーム戦は40-0と圧勝しているので、IBSGにとってはオーダーの組み立てが重要になりそうです。

1位のG8Sは、SS熊本、IBSGともに1勝1敗です。SS熊本にはアウェイで、IBSGにはホームで勝っているので、ホームスタートとなるG8SにはIBSGの方が状況が良いとも言えます。

つぎにDivision Fをみていきます。第5節から首位に躍り出たREJECT(RC)が圧倒的なポイント差をつけ、独走優勝を果たしています。8勝2敗の高勝率に140ポイントと荒稼ぎしたLeShar選手に加え、安定のときど選手、中盤からの出場ながらポイントは70ポイントという高得点を得ているあきら選手。そして存在自体が相手のオーダーに大きく影響する鶏めし選手とまさに最強集団と言えます。2位はRCと同じく新規参入のCrazy Raccoon(CR)。一番ポイントの低いShuto選手ですら50ポイントを稼いでおり、4人すべてがレギュラーとして活躍できる強みがプレイオフ進出の原動力となっています。3位の広島TEAM iXA(iXA)は絶対的エースであるひかる選手を中心に大躍進し、プレイオフ進出を決めました。レアキャラ揃いで対応が難しいのはもちろん、それ以上に人間性能の高さが発揮され、結果に繋がりました。

Division Fの順位推移と最終順位

プレイオフですが、Division Fはアウェイの方が勝率が高いと言うこともあり、トーナメントのホームアンドアウェイのアドバンテージがそのまま影響しにくいと言えます。本来であれば、不利キャラの多いピーキーなレアキャラ揃いなので、アウェイは不利となりますが、ひかる選手やひびき選手が相性を超えた勝負をしかけてくるので、おそらくプレイオフでもホーム有利はほぼ無いと言えるでしょう。ただ、iXAはCRに連敗しており、苦手としているチーム。お互いにチーム対策がどこまで詰められるかがカギと言えるでしょう。

1位のRCは今のところ穴は見つからない印象。どちらのチームが勝ち上がっても、大きな差はなさそうです。シーズンの結果としてはどちらも1勝1敗なので、勢いとタイミングによってはRCが敗れる可能性は十分にあるので気は抜けません。

プレイオフのトーナメント表。初戦は2位抜けチームが、決勝戦は1位抜けチームがホームスタートとなります
プレイオフは70ポイント先取の変則ルール。シーズンと同様に先鋒・中堅・大将の星取り戦を行い、ポイントを奪い合います。ポイントの振り分けも先鋒・中堅が10ポイント、大将が20ポイントです。1セット終わって70ポイントに到達しなかった場合は、ホームとアウェイが入れ替わり、次のセットが行われます。同点の時の延長戦はありません。最短で2セット目の大将戦で、最長で4セット目の先鋒戦で勝敗が決まります。

プレイオフを前にして大きく変わったのは、『ストリートファイター6』のアップデートが12月2日にあったことです。今回のアップデートはキャラクター調整が入っており、強さのバランスも変わったと言えます。特にこれまで強キャラと言われていたキャラクターが軒並み落ち着いたキャラクターに調整されています。ベガ、豪鬼、キャミィ、EDはこれまで通りで戦えない可能性もあり、どのように対策をするか、もしくはキャラ替えをしてくるのかが注目です。このアップデートで大きく影響しそうなのがCRです。どぐら選手のベガ、かずのこ選手のキャミィ、Shuto選手とボンちゃん選手の豪鬼とすべてのキャラクターが影響する結果に。逆に初戦で対戦するiXAはひかる選手が使うA.K.I、ひびき選手が使うリリィは上方調整がされており、ACQUA選手が使用するキャラクターのひとつであるJPも以前の強さを取り戻しつつあり、かなりの追い風調整と言えます。

G8Sはぷげら選手のベガ、カワノ選手の豪鬼がいます。YHC-餅選手のダルシムはシーズン中に対EDとして出場することがありましたが、相手チームがEDを使い続けるのであれば、より一層、対EDの効果が高まるかもしれません。SS熊本もひぐち選手以外は対応が必要な状況です。ネモ選手のベガ、ふ~ど選手のED、ウメハラ選手の豪鬼はキャラ替えを含めた対応が必要そうです。ネモ選手はJP、ブランカと持ちキャラが多いので、そちらを中心にしてくるかもしれません。IBSGも翔選手のベガと豪鬼、ササモ選手のED、ヤナイ選手のベガが影響しそうです。ただ、翔選手はマルチキャラ使いで、昨年はJPで存分に強さを発揮しているので、JPに戻る、もしくは現状で有利に戦えそうな新たなキャラクターを出してくる可能性はあります。RCはエースのLeShar選手のEDがかなり影響あります。ただ、開幕前の使用キャラは春麗だったので、短期間で他のキャラを仕上げてくる可能性はあります。

シーズン中のキャラクターをそのまま使うとして、今回のアップデートを鑑みると、iXAのみ強化点が多く、CRとIBSG、SS熊本がかなり厳しい感じに。G8S、RCは若干対応が必要になってくるという感じでしょうか。

最終的にはDivision Sは、選手の練度の高さを重視するキャラクター選びをするのか、キャラクターのポテンシャルを重視した選択をしてくるのかで結果が変わってきそうな印象です。昨年までの結果だと練度に頼った方が結果を残せていますが、調整された部分をうまく組み込めていけるかが重要でしょう。Division FはLeShar選手が現状のEDでも無双をしてくるのか、さらに別のキャラを仕上げてくるのか、そして、対戦するチームはいかにLeShar選手対策をして、止められるのかが鍵と言えそうです。

プレイオフは12月21・22日開催で、配信はZAIKOによるペイパービューのみとなっています。グランドファイナルとのセットチケットであればかなり割り引かれるので、是非、ご検討を。

eスポーツを精力的に取材するフリーライター。イベント取材を始め、法律問題、eスポーツマーケットなど、様々な切り口でeスポーツを取り上げる。ゲーム情報誌編集部を経て、フリーランスに。様々なゲーム誌に寄稿しながら、攻略本の執筆も行い、関わった書籍数は50冊以上。現在は、Webや雑誌、Mookなどで活動中。近著に『みんなが知りたかった最新eスポーツの教科書』(秀和システム刊)、『ゲーム業界のしくみと仕事がこれ1冊でしっかりわかる教科書』(技術評論社刊)。@digiyas

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