
EVO Japan 2025最終日となるDay3では勝ち残った8名によるダブルエリミネーションのトーナメントが行われます。ウイナーズサイド4名(ももち選手、りゅうきち選手、MenaRD選手、あきら選手)、ルーザーズサイド4名(ひぐち選手、こばやん選手、LeShar選手、NL選手)の計8名によって争われます。ウイナーズサイドの選手は敗北するとルーザーズサイドトーナメントへ移動し、ルーザーズサイドの選手が敗北すると、EVO Japanから撤退となります。

りゅうきち選手、MenaRD選手が決勝へ
ウイナーズサイド1戦目はももち選手対りゅうきち選手。ももち選手は不知火舞をピック、先に1勝しますがここからりゅうきち選手が取り返します。1勝1敗となってからももち選手はEDにキャラクターをチェンジ。すかさず勝利しますが、りゅうきち選手が連勝し逆転で勝利します。

ウイナーズサイド2戦目は複数のキャラクターを使いこなすmenaRD選手が、もっとも練度が高いと思われるブランカを出してきます。3勝1敗で危なげなく勝利します。
こばやん選手が大躍進
ルーザーズサイド1戦目はこばやん選手対ひぐち選手。こばやん選手はザンギエフ、ひぐち選手はガイルのエキスパートとしてひとつのキャラクターを極めており、ピックの妙はありません。途中、トラブルによりこばやん選手がラウンドを取られるシーンもありましたが、フルセットフルラウンドまでもつれ込み、最後はこばやん選手の連続技が決まり勝利しました。
ルーザーズサイド2戦目はNL選手対LeShar選手の韓国勢対決。LeShar選手は今大会では不知火舞とテリー・ボガードの2キャラを使っており、昨年SFLで猛威を振るったEDは出して居ないようです。NL戦でも舞を使用しています。終始、舞の間合いで戦い、NL選手になにもさせず、3-0のストレートで勝利しました。
ルーザーズ2回戦1試合目はあきら選手対こばやん選手。あきら選手が使用するキャミィは、こばやん選手が使うザンギエフと相性が悪いと言われていますが、積極的に逆択を迫り、こばやん選手に主導権を握らせません。勝敗も一進一退のうえ、先に2勝し、王手をかけたのはあきら選手でした。しかし、そこからこばやん選手があきら選手の逆択を読み、最終セットは1ラウンド目がパーフェクト、2ラウンド目もほぼダメージを受けずに勝利しました。

ルーザーズ2回戦2試合目はももち選手対LeShar選手。同キャラ戦をものともしないももち選手でしたが、今回はEDをピック。LeShar選手は前試合と同様に不知火舞を選びます。いきなり連勝して勝利にリーチをかけるLeShar選手でしたが、ここからももち選手が対応したのと、複数のドリームコンボを駆使し、逆三タテを決め、逆転勝利を収めました。
ウイナーズファイナルはりゅうきち選手対MenaRD選手。このカードは昨年のEVO Japanでも行われたカードで、りゅうきち選手が全国区となった大会でもあります。SFLに参戦し、大きな大会を経験したりゅうきち選手の1年の成長をmenaRD選手にぶつけるまたとない機会となりました。この対戦では、menaRD選手はザンギエフをピック。ザンギエフは一般的にりゅうきち選手が使うケンと相性が良いとされており、満を持しての登場となります。早速、1試合目を勝利するMenaRD選手でしたが、ここからりゅうきち選手が2連勝し、王手をかけます。今大会ではブランカの調子も良かったこともあり、相性よりも練度と調子を優先し、ブランカをピックします。これが見事にハマり、逆転で勝利を挙げました。
ルーザーズセミファイナルではこばやん選手とももち選手が対戦。ザンギエフが苦手とするキャラクターにEDが居ますが、ももち選手は舞を選択します。舞はザンギエフが不得意と言うわけでは無いですが、EDよりは苦しい戦いになるかと思われます。結果としてこばやん選手が連勝し勝利にリーチとなります。ここでももち選手はEDにスイッチ。なんとか1勝をもぎ取りますが、こばやん選手の勢いを止められず、ももち選手が敗退となりました。

ルーザーズファイナルはりゅうきち選手対こばやん選手。先述した通り、ザンギエフの方が相性が良いと言われる組み合わせで、りゅうきち選手の苦戦が予想されましたが、互角の戦いが続きます。フルセットフルラウンドの結果、りゅうきち選手が勝利し、MenaRD選手への挑戦権を獲得しました。また、同時にサウジアラビアのesports World Cupへの出場権も獲得しました。
グランドファイナルはMenaRD選手が最初からブランカを選択。りゅうきち選手もなんとか対応を試みましたが、3-1でMenaRD選手が勝利しました。

これでMenaRD選手は2年連続のEVO Japanの王者です。表彰式では、以前にウメハラ選手に送った挑戦状の返事を懇願していることを伝える為に「待っている」と言及していました。
EVO Japan 2025 ストリートファイター6部門のTOP8の結果です。

優勝:MenaRD選手
準優勝:りゅうきち選手
3位:こばやん選手
4位:ももち選手
5位タイ:あきら選手/LeShar選手
7位タイ:ひぐち選手/NL選手
(c)CAPCOM

eスポーツを精力的に取材するフリーライター。イベント取材を始め、法律問題、eスポーツマーケットなど、様々な切り口でeスポーツを取り上げる。ゲーム情報誌編集部を経て、フリーランスに。様々なゲーム誌に寄稿しながら、攻略本の執筆も行い、関わった書籍数は50冊以上。現在は、Webや雑誌、Mookなどで活動中。近著に『みんなが知りたかった最新eスポーツの教科書』(秀和システム刊)、『ゲーム業界のしくみと仕事がこれ1冊でしっかりわかる教科書』(技術評論社刊)。@digiyas