さて、今から極めるスト6、略して“いまスト”ですが、今回が第2回目となります。
前回がジャンプ攻撃の話だったので、今回はそのジャンプ攻撃の対処方法を解説していきます。
前回、解説した通り、ジャンプ攻撃自体はかなり強い攻撃です。対処方を知らないと、一方的に攻撃を喰らい続けてしまいます。なので、今回はジャンプ攻撃の対処方を考えていきます。
対ジャンプ攻撃の本命、必殺技対空
書いて字の如く、空中からの攻撃を迎撃する為の技が対空技です。基本的に上への攻撃判定が強く、上からの攻撃に当たりにくい技が一般的に対空技と言われています。その中でも強力なのが対空性能のある必殺技です。対空性能のある必殺技とは、ジャンプ攻撃を無効にする対空無敵のがあるものを言います。
ルークの場合、ライジングアッパーが対空用必殺技です。公式サイトのルークのフレームデータのライジングアッパーの備考を確認してもらうと分かりますが、空中判定の打撃・空弾属性に対して無敵と書かれています。無敵と言う状態は相手からの攻撃を一切受け付けない状態なので、相手がジャンプしていれば、一方的に勝てる手段というわけです。ちなみ無敵には、対空無敵、弾無敵、投げ無敵、完全無敵などの種類があり、それぞれの攻撃を無効化してくれます。
他のキャラクターもリュウ、ケン、豪鬼の昇龍拳、春麗の天昇脚、ガイルのサマーソルトキック、テリーのライジングタックルなど、多くのキャラクターが所持している必殺技です。


必殺技対空の弱点を理解する
ジャンプ攻撃に対して無類の強さを誇る対必殺技対空ですが、弱点もあります。それは、コマンドの難しさです。対空必殺技の多くは→↓↘のコマンド(1プレイヤー側)となっており、ストリートファイターシリーズ共通で、いわゆる昇龍拳コマンドと言われています。この昇龍拳コマンドはコマンド入力の最初の壁と言われており、確実にかつ咄嗟に出すことが難しい技と言えます。なので、クラシック操作のプレイヤーはとにかく確実に昇龍拳コマンドの技を出せるように練習をしなくてはなりません。1プレイヤー側、2プレイヤー側でコマンドが逆になるので、どちらでも出せるようにすることも忘れずに。
ガイルのサマーソルトキックのように溜め技の場合は、いつでも出せるようにいつでも溜めを作っておきたいですが、下溜めや後ろ溜め(E.本田のスーパー頭突きやベガのサイコクラッシャーアタックなど)の為、溜め状態を継続すると攻撃しにいけなくなってしまいます。逆に言えば前方に移動して攻撃仕掛けている時は、溜めがなく、必殺技が出せない状況に陥ってしまいます。
昇龍拳コマンドの場合、モダン操作であればワンボタンなので、難易度は低くなりますが、溜めの場合はモダンでも溜めは必要となるので、クラシックと同じ弱点がそのまま残ってしまいます。
昇龍拳コマンドよりも簡単なコマンドの対空必殺技もあります。ラシードのスピニングミキサーは↓↘→(1プレイヤー側)と昇龍拳コマンドよりも簡単なコマンドですが、弱には対空性能がなく、中、強も対空無敵の発生時間が昇龍拳コマンドの対空技よりも遅くなっています。ザンギエフのダブルラリアットはパンチボタン2つ同時押しと簡単操作ですが、通常ダブラリには飛び道具無敵はあるものの対空無敵はついていません。OD版にすると対空無敵がつきますが発生が12Fと遅めで他の対空性能のある必殺技のOD版が完全無敵に対して、飛び道具と対空の無敵しかついていません。

対空性能のある必殺技の多くは、前方に移動しながら攻撃をする場合が多く、ちょっと離れた場所のジャンプした相手を迎撃できますが、その反面、後ろ側には攻撃判定がありません。つまりめくり攻撃には対処できないという弱点があります。

最大の弱点と言えるのが、ガードされた場合、パニッシュカウンター(パニカン)を喰らってしまうことです。パニカン始動コンボは大ダメージコンボとなるので、ジャンプ攻撃に対して出すのが遅い場合は手痛い反撃を受けることになります。

必殺技対空の代替技としての通常技や空対空
咄嗟に昇龍拳がでない場合の代替技として使えるのが上方向に強い通常技です。ルークの場合だと屈強パンチです。これだとワンボタンで出るので、咄嗟に昇龍拳コマンドを入れられない人にとっては失敗の少ない対空技と言えます。他のほとんどのキャラクターも対空技として機能する通常技があります。JPやベガなど咄嗟に出せる対空性能のある必殺技を持っていないか、そもそも対空無敵を持つ必殺技を持っていないキャラクターは通常技対空が生命線と言えます。
ただし、弱点もあります。耐空性能のある通常技は得てして横の間合いが短く、ジャンプして何もせずに着地する「すかし飛び」に弱い。さらに空中軌道変化する技ではタイミングが合わずに攻撃が当たらないこともあります。

特殊な例として、ザンギエフの立ち強パンチやマリーザの必殺技・グラディウスのようにアーマーで受けつつ、反撃する方法もあります。アーマー受けが行けるのであれば、ドライブインパクトも使えそうですが、さすがに攻撃発生が遅いので対空技としては使えません。ちなみにアーマー対空は、ボタンホールドでアーマー状態を維持しつつ、攻撃を受けたら反撃するので、攻撃を受けるタイミングを逸するすかし攻撃に弱いと言えます。

空中にいる相手を空中で迎撃すると言う方法もあります。いわゆる空対空です。相手のジャンプを読んでいたり、いち早く反応できていれば、ジャンプとほぼ同時に攻撃を出していれば相手が出すジャンプ攻撃よりも早く攻撃することができ、迎撃することができます。これは相手が地上にいる相手を攻撃しようとしているため、ジャンプの終わり際、最低でもジャンプの頂点に達した後に攻撃をしかけようと思っているので、後からジャンプしたとしても、ジャンプと同時に攻撃を出している側が先に攻撃を当てることができるということです。さらにルークやベガ、リュウなど、空中ヒット時吹き飛びダウン性能を持っている技を使うと、追い撃ちをかけることができ、単純に対空技を出すよりも大ダメージを期待できるようになります。


空中投げを持っているキャラクターであれば、投げで迎撃することも可能です。さらに、バックジャンプしながら攻撃をすることでめくり攻撃の間合いでのジャンプ攻撃も落とすことができます。ベガやルーク、リュウのジャンプ中パンチは空中でヒットすると追撃することもでき、普通に対空技を使うよりも大きなダメージを取ることも。

無理に反撃せず、防御に徹して後の先を取る
対空技の精度が低く、対応がどうしても遅くなってしまう場合は、反撃をしないと言うのもひとつの手です。下手に手を出さず、ガードに徹することでやり過ごします。ジャンプ攻撃をガードすると、ガードした側が不利になりますが、あくまでも不利になるだけで、そこから確実にダメージを受けるわけではありません。相手は着地後、有利フレームを利用して連携攻撃をしてくることが多いので、無敵技を持っているのであれば、着地後の連携に無敵技を叩き込むことも可能です。つまり、ジャンプ攻撃に対して無敵技を出すのではなく、ジャンプ攻撃をガード後に無敵技を出すわけです。

また、ドライブパリィでやり過ごすことも有効です。ガードよりも硬直が短くすみ、タイミングが合えばジャストパリィを取ることもできます。ジャンプ攻撃はジャンプ軌道を見ていれば攻撃するタイミングはある意味単調になので、いつ攻撃を仕掛けてくるかわからない地上牽制技よりもジャストパリィしやすい技とも言えます。弱点としては空かしジャンプから投げを狙ってくる相手。ドライブパリィ中に投げられてしまうと、パニカン投げになってしまい、いつもよりも大きなダメージの投げを喰らってしまうことです。

さらに、めくり気味でジャンプしてくる相手は、ガードではなく、反対に前進することで、ジャンプを潜ることも可能です。潜ってしまえば、相手が着地硬直の隙をついて反撃もできます。



まずはジャンプ攻撃を落とすことを念頭に、対空技、できたら対空必殺技が出せるように練習をしておきましよう。それができるようになってきたら、相手の飛びの状況に合わせて、対空技を使い分けられるようになれば、もはやジャンプ攻撃は怖いものではなくなります。
(撮影協力/motsuneco)
(c)CAPCOM
eスポーツを精力的に取材するフリーライター。イベント取材を始め、法律問題、eスポーツマーケットなど、様々な切り口でeスポーツを取り上げる。ゲーム情報誌編集部を経て、フリーランスに。様々なゲーム誌に寄稿しながら、攻略本の執筆も行い、関わった書籍数は50冊以上。現在は、Webや雑誌、Mookなどで活動中。近著に『みんなが知りたかった最新eスポーツの教科書』(秀和システム刊)、『ゲーム業界のしくみと仕事がこれ1冊でしっかりわかる教科書』(技術評論社刊)。@digiyas