2025年12月13日にストリートファイターリーグ:Pro-JP(SFL)のDivision S、12月14日にDivision Fのプレイオフが開催されました。
プレイオフはそれぞれのDivisionの本節の結果で上位3チームが出場でき、優勝すると1月31日にパシフィコ横浜で開催されるグランドファイナルに進出します。
プレイオフは2位と3位のチームが対戦し、勝利したチームが1位のチームと対戦します。対戦形式は本節とは違い、70ポイント先取制です。先鋒・中堅・大将の星取の団体戦であることは変わりませんが、本節のように20-20の同スコアで大将戦を終えても延長戦はありません。本節と同様にホーム&アウェイ方式をとっており、アウェイ側がその巡目のオーダーをすべて発表し、ホーム側は対戦前に対戦者を発表します。本節での順位が上位のチームがホームから始まり、巡目が変わるごとにホームとアウェイが入れ替わります。SFL2025からの新ルールとしては、2巡目が終了するまでにすべての選手が出場しなくてはなりません。

Division Sの初戦は本節2位の名古屋NTPOJA(NTPOJA)対本節3位Crazy Raccoon(CR)です。NTPOJAは本節での勝利ポイント数1位のKEI.B選手を中心としたチームで、CRは現時点でのトップティアであるEDと不知火舞が居ないという個性的なキャラクターを使うチームです。
1巡目はNTPOJAの先鋒もっちー選手と大将KEI.B選手が勝利し30-10とリードします。2巡目は大将に据えたKEI.B選手に対して1巡目に出場機会の無かったShuto選手を出し、KEI.B選手を攻略します。ここでポイントが40-40のイーブンに。3巡目はCRが1巡目と同じオーダーながら順番をいれかえてきます。NTPOJAは同じ組み合わせで挑みますが1巡目と真逆の結果となり、CRが70-50で勝利しました。2巡目、3巡目でKEI.B選手が敗北し、他のメンバーもうまく補填できなかったところが勝ちに届かなかったと言えます。

Division Sの決勝戦は本節1位のGood 8 Squad(G8S)対プレイオフに勝利したCRの一戦です。G8Sは新人のさはら選手が大活躍しましたが、いつメンのガチくん選手、カワノ選手、ぷげら選手も安定したポイントを稼いでおり、穴のないチームです。
1巡目はG8Sが連勝し、大将戦のさはら選手が登場するというCRにとって絶望的な展開。しかし、大将を任されたShuto選手がさはら選手を完封し勝利します。結果、20-20で折り返します。2巡目はさはら選手を先鋒にぷげら選手、カワノ選手の布陣で挑みますが、CRが3連勝で40ポイントをもぎ取ります。さはら選手戦はかずのこ選手が出場しており、CR全員がさはら選手の対策をしてきたと思われます。60-20と後が無くなったG8Sが勝利するには4連勝するしかない状態です。3巡目はどぐら選手が先鋒で出場。どぐら選手と相性の良いカワノ選手が出場しましたが、どぐら選手が返り討ちにし、CRが優勝しました。2Division制になってから3位からの下剋上は初となります。

Division Fの初戦は3位のZETA DIVISION(ZETA)対2位の広島Team iXA(iXA)の対戦です。ZETAはメンバーの翔選手が体調不良の為、出場ができず、その後、引退となったため、本節の大半を3人で戦ってきました。特例により延長戦のみの出場という制限下でヤマグチ選手が翔選手の代わりに参加しています。しかし、ヤマグチ選手が加入後は延長戦が発生しておらず、ヤマグチ選手はいきなりプレイオフからの出場となります。ED使いの多いDivision Fにおいて、EDの第一人者と言えるももち選手が、チームをポイント的にも精神的にも支え、逆転で3位となりました。iXAは新人のあでりい選手が活躍しました。唯一無二のリリー使いのひびき選手と今やレアキャラ化したキャミィ1本のあきら選手、選手以上にチームの牽引力として活躍したACQUA選手と個性豊かなチームです。
1巡目の大将戦でいきなりももち選手とあでりい選手のEDミラーが発生し、これにももち選手が勝利し、ZETAがアウェイ発進ながら30-10でリードします。2巡目は先鋒、中堅と連勝し、ポイント差を広げるZETAでしたが、大将のひかる選手をあでりい選手が倒し、1巡目のポイント差をキープします。3巡目はZETAの布陣は1巡目と同じです。これに対してiXAは先鋒と中堅を入れ替えます。これが功を奏し、連勝で50-50のイーブンに追いつきます。大将戦の20ポイントを獲得した方が優勝となる展開に、再びももち選手対あでりい選手のEDミラーが発生します。いきなり2セット連取されたあでりい選手ですが、ここから一気に捲り、逆3タテであでりい選手が勝利し、iXAが決勝戦へコマを進めます。

Division Fの決勝戦は本節1位のREJECT(RC)対プレイオフを勝ち進んだiXAとの一戦です。RCはときど選手とLeShar選手のふたりに加え、ウメハラ選手とふ~ど選手を加えたレジェンドチーム。本節ではEDで猛威を振るったふ~ど選手と、テリーとEDで昨年同様の活躍をみせたLeShar選手の2枚看板が超強力です。
1巡目はなんと言っても大将戦。あでりい選手とLeShar選手のEDミラー。ももち選手戦から連戦でED戦をしてきたあでりい選手ですが、ここでLeShar選手に敗北し、ポイントは20-20に。2巡目はiXAがホームでしたが、3人とも返り討ちにあい、RCが40ポイント獲得し、あと10ポイントで勝利となる60ポイントに到達しました。3巡目はあきら選手が先鋒ででますが、これにときど選手が対戦相手に名乗りをあげ、逆転で勝利を収め、CRがグランドファイナルへの切符を手にしました。

今シーズンは延長戦にそれまで出場しなかった選手が出場しなくてはならず、プレイオフでも2巡目までに全員出場するルールが適用され、絶対的なエースの存在より、チーム力が問われるとみられていました。本節ではチーム力の高さを誇るチームと絶対的エースの居るチームがそれぞれプレイオフに進出しました。プレイオフでは絶対的エースがいるチームが敗退し、チーム力の高さ、もしくはエース級がふたり以上いるチームの勝利となりました。結果的には今シーズンのレギュレーションに合ったチームが勝利したと言えるのではないでしょうか。グランドファイナルではどんな結果となるのか楽しみです。最後に勝利したチームからコメントを貰っているので、それを掲載します。
Crazy Raccoon – インタビュー
――おめでとうございます。優勝した感想をお願いします
Shuto選手:ここ数年、チームメイトが大将を任せてくれることが多かったんですけど、勝てずに敗退してしまうことも多く、今年こそは絶対グランドファイナルまで行くって頑張ってきました。そのポジションで今年勝てたのは本当に嬉しいです
かずのこ選手:プレイオフはキャミィで行くか、C.ヴァイパーで行くか悩みました。立川コーチがつきっきりでヴァイパー対策とか、戦法とか、いろいろ教えてくれて、結果、仕上げることができました。
ボンちゃん選手:本節の方でちょっと足を引っ張ってしまって、それを挽回できる場がプレイオフとかグランドファイナルしか残されてなかったので、本当は全部大将を任せられるくらいに仕上げてきたいと思っていました。それでもチームメイトに大将を任せられるくらいチームメイトが頼れる存在で、それを支えられれば良いかなって思っていました。
――オーダーのポイントを教えてください
どぐら選手:基本的には立川コーチに入ってもらってもらいました。選手目線だと結構ぶれがちなところを、我々の意見を聞きつつ、最終的に立川コーチに整えてもらった感じですね。一番大変だったのは、カワノ選手対策でしたね。ボンちゃんがカワノ選手に行く予定だったんですけど、流れに任せようって感じに。
――NTPOJAとG8Sだと、G8Sの対策に力を入れていたようにみえましたが
どぐら選手:G8S戦は大将戦に比重を置いていたので、全員が大将戦で勝てるようにしていた感じですね。NTPOJA戦は担当を決めて全員が宿題を持って対策をした感じですが、G8S戦はShuto選手にかなりお願いした形になりますね。
――今回、初の下剋上となるのですが、そのことについてはいかがでしょうか
どぐら選手:いやーしんどかったですね。練習量がマジですごくて、本当に舞とめちゃくちゃ対戦して。他にも春麗やジュリ、ED、ラシードもやって。まあ、豪鬼もやっておいたのですけど、結局、豪鬼としか対戦してない(笑)。まあ、アウェイってめちゃくちゃ練習するんですよ。もちろんホームも練習するんですけど、アウェイなりのすごい練習量があるんで、そこら辺で、地力がついた感じはあります。底力みたいなものが鍛えられたかも。
――今回から2巡目ごとに全員出場するようにルール変更されましたが、これについてはいかがですか
どぐら選手:まあ、良いルールだと思いました。地力のあるチームなので、出さなきゃダメって感じではなく、オーダーを組んだら自然とルール通りになっていましたね。これがCRの強みと言えるかと。
かずのこ選手:全然、困らなかったよね。なんなら相手チームの方が困りそうな場面が多かったんで、平均値で言うとCRのバランスが一番良かったかな。
Shuto選手:あとG8S戦で思ったんですけど、さはら選手が結構きつそうになっていて、ひとり調子が出ない選手が出てしまうと、きつくなる。相手チームの中でひとり潰してしまうと、このルールが有利に働きますね。
REJECT – インタビュー
――優勝おめでとうございます。感想をお聞かせください
ときど選手:非常に長い戦いでしたね。とにかく勝てて安心しています。ただただ疲弊していますね。それくらい厳しい戦いでした。そんな環境で勝ち抜いてくれたチームメイトには感謝しています。
LeShar選手:勝って嬉しいです。やっぱり一番難しい試合だと思いました。ミスもちょっとありましたけど、練習したところが出てよかったと思います。
ふ~ど選手:プレイオフは、ももち選手とあでりい選手のED使いがいて、ED戦がすごく重要だと思っていました。そのED戦が結構準備できたのは良かったですね。LeShar選手がちゃんと勝ってくれてすごく嬉しかったです。
ウメハラ選手:先鋒、中堅が負けた後って、大将を引きずると思うんですけど、ちゃんと耐えて跳ね返したっていう、あのLeShar選手の大将戦の勝ちから、こっちの空気が良くなったかなと。あそこが分岐点でしたね。優勢になってからも気を抜かず、アドバイスしながら、10点を大事に積み重ねていきました。10点の重みを知っているので。
――今回のプレイオフは2巡目までに全員が出ると言うルールでした。本節では出番が多くなかったウメハラ選手がどこに出るのかに注目していましたが、アウェイの中堅と、意外なところで出ましたが、これはどういった意図があったのでしょうか
ウメハラ:もともと、担当としてはあでりい選手に行く予定ではあったんです。ED戦もすごくやっていて、結構良い感じになってきていたハズだったんですけど、チームメイトのふたりのED使いと対戦すると勝率が悪いという出る気がなくなってしまうとトラップがありました(笑)。他の人のEDに対してはかなり勝率良かったんですよね。普通に考えたら出るんですけど、出ない方が良いかなってなっちゃって。そこで急遽LeShar選手に出てもらうことになったんです。ACQUA選手の担当だったので、ACQUA選手が出たら出る可能性はありました。今回はキャミィとの対戦となりましたが、正直、キャミィ戦もリリー戦もまったくやっていなくて、その2キャラに被せられたら勝つ確率は低いと思っていました。まあ、全然やっていないから思い切ってやろうみたいな気持ちになれたのが、結果として勝てたのかもしれないですね。
――Division Sで3位のCRが優勝するという下剋上が起きてからの、Division Fのプレイオフとなりましたが、その結果を見てどのように感じられましたか
ときど選手:怖いな、と思いましたよね。G8Sの練習場で練習させていただいたこともあったんですけど、入念な準備をしていましたし、RCで同じような練習をするよういなったのは、G8Sの練習を見てからです。良い環境を作ることで試合に臨めると言うのはやってきています。だから、1日で決まっちゃうので、そこは怖いなと思いました。それでも、自分たちが取り組んで来たことを信じて、自信を持って戦うというのは、大切なので、そこを破られないようにしたいと思って戦いました。
――LeShar選手は本節でメインだったテリーからEDに変えての出場でしたが、テリーを出す余地もあったのでしょうか
LeShar選手:正直、毎日変わっていました。あきら選手やACQUA選手がED戦の内容が悪かったら、テリーの可能性はありませんでした。ただ、今日ちょっと、EDで良くない内容がでたら、テリーを出そうと思いました。グランドファイナルで対戦するCRの場合は全部のキャラクターに可能性はあると思います。これから時間が大分あるので、テリーもあると思います。
――ときど選手が練習部屋の話をしていましたが、今日のプレイオフも全員が集まって戦えたことはプラスに働いていると思いますか
ときど選手:ありましたね。選手だけでなく、スパーリングパートナーの皆様にも集まっていただいていて、一緒に練習しながらマッチワンを見ていたんです。直前まで練習させてもらったというのは大きいですし、マッチワンで勝った方としか対戦しないわけですが、ギリギリの激戦でどっちになるかわからない状況で、両方のチームの対策として集まっていただいたスパーリングパートナーと一緒に付き合ってもらえたことも非常に大きかったです。あとは、インターバルをわざわざ使わなくても、その場で連携がしやすかったと言うのもあります。インターバルは相手チームにも相談する時間を与えてしまうので、こっちはインターバルを敢えて使わず、短い時間でパパッと情報を伝えることができたのも利点でした。
――グランドファイナルのCR戦は、今シーズンの本節で猛威を振るったED、舞がいないチームですが、これについてはいかがですか
ときど選手:Division Fにいなかったキャラクターも多いのでちょっと対策は大変かなと思います。ただ、時間もありますし、(対策をしていない分)こちらの伸び代も非常にあるのかなと思うところなので、またスパーリングパートナーの皆さんにお世話になろうかと思っています。
ふ~ど選手:レアキャラ対策の練習って結構楽しいと思うんですよ。というか、毎日、EDとか舞と対戦しているの方が絶対きついですよ。むしろ、C.ヴァイパーやエレナと対戦できるのは、モチベーションがめちゃくちゃ上がるんじゃないかなと思います。
グランドファイナルは1月31日(土)にパシフィコ横浜で開催されます。会場観戦チケットはすでにソールドアウトになっていますが、有料配信チケットはまだ購入できるので、いち早く視聴したい人は是非、購入を。ちなみにプレイオフはDay1が1月24日(土)に、Day2が1月25日(日)に、TwitchとYouTubeのCAPCOM FIGHTERS JPおよび、Capcom Fightersで無料視聴が開始されます。グランドファイナルは2月14日(土)からとなります。

(c)CAPCOM
eスポーツを精力的に取材するフリーライター。イベント取材を始め、法律問題、eスポーツマーケットなど、様々な切り口でeスポーツを取り上げる。ゲーム情報誌編集部を経て、フリーランスに。様々なゲーム誌に寄稿しながら、攻略本の執筆も行い、関わった書籍数は50冊以上。現在は、Webや雑誌、Mookなどで活動中。近著に『みんなが知りたかった最新eスポーツの教科書』(秀和システム刊)、『ゲーム業界のしくみと仕事がこれ1冊でしっかりわかる教科書』(技術評論社刊)。@digiyas