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【EVOJAPAN】2025年リリース予定の新作対戦格闘ゲーム『餓狼伝説 City of the Wolves』と『2XKO』を試遊してきた!

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4月27~29日に有明GYM-EXにて開催されて対戦格闘ゲームの祭典EVO Japan 2024において、会場には企業ブースが出展し、物販や開発中の新作タイトルの試遊などの展開がされていました。今回、Riot GamesとSNKから試遊台のお誘いがあり、Riot Gamesの『2XKO』とSNKの『餓狼伝説 City of the Wolves(CoW)』の試遊をしてきました。

終日賑わっていた『2XKO』のブース(撮影/Yoshida”HARRY”Takanori)

26年ぶりの新作となる『餓狼伝説 City of the Wolves』

まずは、SNKの『餓狼伝説CoW』です。『餓狼伝説』は1991年にリリースされたSNKの対戦格闘ゲームの元祖と言えるタイトルで、カプコンの『ストリートファイター』シリーズと双璧をなす人気タイトルでした。1999年にリリースされた『餓狼 -MARK OF THE WOLVES-』を最後に続編のリリースが行われていないタイトルです。つまり今回の『CoW』は26年の月日を経て久しぶりにリリースされるタイトルなわけです。

まずは『餓狼伝説 City of the Wolves』をプレイ(撮影/Yoshida”HARRY”Takanori)

現時点では、主人公と思われるロック・ハワード、中国拳法を操る双葉ほたる、ジョー東の弟子でムエタイ使いの新キャラプリチャ、パワフルなプロレスを駆使するマスクマンであるグリフォンマスク、『餓狼伝説』シリーズの顔と言えるテリー・ボガードの参戦が発表されています。そして、EVO Japan 2024において、極限流空手の使い手のマルコ・ロドリゲスの参戦も新たに発表されました。

ということで試遊です。まず操作方法ですが、対戦格闘ゲームの経験者向けのアーケードスタイルと初心者でもすぐに遊べるスマートスタイルの2種類があります。ふたつ以上の操作スタイルでコマンド入力の難しさを軽減するのは、昨今の対戦格闘ゲームのトレンド、スタンダードと言えます。

アーケードスタイルだと、弱パンチ、弱キック、強パンチ、強キックが基本で、同時押しやステップや小ジャンプを補足する操作が残りのボタンに振り分けられている感じです。

スマートスタイルだと、パンチ、キック、必殺技、スマートコンボ、REVガード、投げ、REVブロウ、避け攻撃など、ボタンひとつで様々な行動ができるようになっています。ただ、パンチとキックに強弱の区別がないので、技数は減る可能性はあります。

REVシステムや操作スタイル、継承システムなどが画面の周りに解説されていました(撮影/Yoshida”HARRY”Takanori)

なんの説明もなくREVガードやREVブロウと書きましたが、『CoW』の根幹となるのが、新要素である「REVシステム」です。画面左右下段にあるREVゲージがゲーム開始時にマックスとなっており、さまざまなREVシステムを使うと減少していきます。時間経過や攻撃を当てることで回復し、ゲージをうまく運用することで、より強力な攻撃や堅固な守りをすることができます。で、そのREVシステムですが、まずはREVアーツ。いわゆる必殺技を強化します。全キャラで試してはないですが、攻撃力がアップしたり、無敵時間が付いたり、ヒット数が増えたりする印象です。必殺技コマンド+ボタン同時押しで使えます。

ゲージを使用して必殺技を強化するREVアーツ

次にREVブロウ。相手の攻撃を受け流しつつ反撃する攻撃です。S.P.G.中に発動できます。と、また新たな単語がでてきましたが、S.P.G.も『CoW』の重要なシステムです。これの説明は後でします。

相手の連携で固められた時に切り返しとして使用できそうなREVブロウ

次にREVガードです。ガード時にR1ボタンを押しながらガードをすると、いつもよりも大きくノックバックするガードです。間合いが離れるので、仕切り直しができます。

連続ガードなど、割り込む余地がないような場合に使えそうなREVガード

最後にREVアクセルです。REVアーツで強化した必殺技を再度REVアーツで繋げる攻撃です。一気にコンボとダメージが伸びるので、ここぞの場面に使いたいところです。

普段は繋がらない必殺技を連続技として組み込めるREVアクセル

で、S.P.G.ですが、これは体力ゲージの前半、中盤、終盤に設定ができ、その体力になったときに発動する強化ポイントです。先に説明したREVブロウが出せるようになったり、攻撃力がアップしたり、体力ゲージが回復したりと恩恵はさまざまです。『餓狼伝説2』以降のイメージだと体力が少なくなると超必殺技が使えるようになりましたが、あれが、最初から使えるのか、体力が半減したときに使えるのかを選べるわけです。なので、最初からガンガン行きたい人は序盤に設定し、いつも通り、残り体力が少なくなってから逆転を狙いたい人は終盤に設定することができるわけです。これはプレイヤーの戦闘スタイルやキャラクターの相性なども出そうなので、いろんなタイプとの対戦が楽しめそうです。

1P側のテリーはS.P.G.が中盤にあり、序盤からダメージを受けることを覚悟に攻め入れます。2P側のロックはS.P.G.が終盤にあり、最後の最後で逆転を狙う人向けと言えます

他にも前作である『MoW』のシステムも踏襲しています。タイミング良くガードすると発生するジャストディフェンスや連続ガード中タイミング良く前方向にレバーを入れると発生するハイパーディフェンス、ふたつの特殊ディフェンスが発生しているときに発動するガードキャンセル、必殺技を途中でやめるブレーキングなどがあります。

タイミング良くガードすることで発生するジャストディフェンス

とりあえず、試遊はこれらのシステムを試すのと、キャラクターの必殺技を試すだけで、時間が過ぎてしまいました。まあ、すごく簡単に言うと現在の対戦格闘ゲームのトレンドを取り入れ洗練された令和の『餓狼伝説』って感じです。『餓狼伝説』シリーズはキャラクターの魅力の高さも売りなので、これからどんなキャラクターが追加されるかも楽しみです。

いろいろ試しているうちに時間は過ぎてしまいました(撮影/Yoshida”HARRY”Takanori)

シンプル操作とタッグ戦ならではの奥深いシステムが融合した『2XKO』

さて、次は『2XKO』です。『2XKO』は元々『Project L』として開発されていたRiot Gamesの対戦格闘ゲームです。キャラクターや世界観は『League of Legends』のものを使用しています。対戦スタイルは2v2のタッグ戦です。基本的には1v1での戦闘となりますが、キャラクターの攻撃を補助するアシストアクションやチームメイトと交代するときに攻撃するタッグランチャーなどがあり、タッグ戦ならではの戦い方が楽しめます。

次は『2XKO』をプレイしました(撮影/Yoshida”HARRY”Takanori)

『2XKO』はいわゆる通常操作と簡易操作のような2パターンの操作方法ではなく、ひとつの操作方法のみ用意されています。ただ、必殺技がコマンドでなくワンボタンなので、すべての人が簡易操作でプレイするようなイメージでした。操作方法は、移動操作上下左右と、L(Low)M(Middle)H(High)の攻撃ボタンに、必殺技ボタンのS1とS2の5つの攻撃ボタン、タッグの交代などで使うT、ダッシュやパリィのボタンです。必殺技は上下左右と必殺技ボタンの組み合わせで出るので、簡単に出ます。

試遊台では、ヤスオ、イオライ、エコー、ダリウス、アーリの5人が使用できました

必殺技や通常攻撃の他に、浮かせ技と言うものが存在しています。浮かせ技を当てると、相手が無防備状態で空中に浮かされ、着地するまでコンボが入れられるようになります。『鉄拳』シリーズや『バーチャファイター』シリーズなど、3D対戦格闘ゲームでは良く見かけるシステムで、2D対戦格闘ゲームで主流のシステムとは言えないので、慣れが必要です。

共通システムとしてはタッグに関するさまざまな行動ができるシステムを用意しています。パートナーを呼びだして攻撃をしてもらうタッグランチャーやメインとパートナーを入れ替えるクイックタッグ、メインを入れ替えず攻撃に参加するアシスト、アシスト中にメインとパートナーを入れ替えるハンドシェイクタッグなどがあります。

戦闘スタイルとして「ヒューズ」と言うものがあります。キャラクターを選択したあとに、どのヒューズで戦うか決定し、選んだヒューズによって、できることが変わってきます。ヒューズにはダブルダウン、ハンドシェイクタッグ、2Xアシスト、フューリーの4つがあります。ダブルダウンはメインキャラクターが必殺技を使用した後、待機しているキャラクターも必殺技を発動し追い打ちをします。ハンドシェイクタッグはタッグシステムのハンドシェイクタッグを1度に2回行うことができ、メインとパートナーの操作を巧みに入れ替えることでより強力な連携が行えます。2Xアシストは1回のコールで2回のアシストを行います。フューリーは体力が少なくなると自動発動し、攻撃力がアップします。

キャラクターを選択した後に、ヒューズを選びます

キャラクターごとに固有の通常攻撃や必殺技があるのは当然ですが、それぞれのキャラクターに特性もあったりします。例えば、エコーと言うキャラクターは自分の残像を出して攻撃パターンを増やすことができ、ヤスオと言うキャラクターは剣を鞘に入れた状態の構えをすることができ、通常状態とは違った攻撃を繰り出すことができます。ゲームの基本システムは同じであるシステムゲームの印象がありましたが、キャラクターのユニークスキルが多いので、キャラクターゲームとしての要素もあり、バランスが取れた感じがします。また、同じキャラクターの組み合わせだとしてもフューリーが違えば、まったく戦い方は変わってくるでしょう。キャラクターの特性や必殺技は当然『League of Legends』で使用されるものを踏襲しています。なので『League of Legends』をプレイしたことがある人にとっては、新作ゲームながら親近感を持てるのではないでしょうか。現時点ではヤスオ、エコー、ダリウス、アーリに加えて、EVO Japan 2024の試遊台で初登場となったイオライの5キャラのみの参戦が発表されていますが、『League of Legends』では160体以上のチャンピオン(キャラクター)がおり、どのキャラクターが参戦するのか、どういった動きをするのかを考えるのが楽しいわけです。例えば、モルデカイザーが参戦したら、「死の国」によって、相手チームが交代できなくなったりするんじゃないかなとか。

グラフィックは解像感の高いアニメ調で、滑らかな動きとキャラクターの視認性の高さが際だっていました。本家『League of Legends』とも、アニメ作品の『アーケイン』とも違った魅力があります

Day3では『2XKO』のブースに訪れていた元『League of Legends』のプロゲーマーであり、現在『スト6』をプレイしているストリーマーのCerosさんに話を聞いたところ、「『League of Legends』のプレイヤーはプレイすると思うし、そういった格闘ゲーム初心者でも十分楽しめるシステムになっていますね。かといって格ゲー上級者がすぐに飽きるような感じではなく、奥深さもあって、やり込めるんじゃないかな」と言っていました。『League of Legends』は日本でもプレイヤー人口が右肩上がりで増えており、世界のアクティブプレイヤー数が1億人を超えるタイトルなので、それらの人がプレイするとなると、リリース当初から多いに盛り上がりそうです。

実際にスタッフに説明を受けながらプレイしていましたが、やることは多めなんですけど、ひとつひとつは難しくなく、すぐに対応できる感じでした。まあ、組み合わせて戦うとなれば、やはり時間はかかりそうな印象でもあります。ただ、コンボがたくさん入るゲームなので、攻撃が連続して当たった時の爽快感はプレイしていても見ていても高めです。まあ、やられている方は「長い、長い」ってなりそうですけど。

両タイトルとも発売日は2025年となっており、最短でも7~8ヶ月先、長ければ1年半以上先となるので、よりブラッシュアップした状態でリリースされると思われます。もしかしたら、今回試遊した内容はひとつも残ってなかったまであるかも知れません。とにかく、対戦格闘ゲームがこんなに短いスパンで新作が複数登場するのは、それこそ『ストII』から数年の間だけだったのではないでしょうか。それだけ対戦格闘のジャンルが注目されているのは、格ゲーマーにとって本当にありがたいことです。

(C)SNK CORPORATION ALL RIGHTS RESERVED. (C)2024 Riot Games, Inc.

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Writer
岡安 学

eスポーツを精力的に取材するフリーライター。イベント取材を始め、法律問題、eスポーツマーケットなど、様々な切り口でeスポーツを取り上げる。ゲーム情報誌編集部を経て、フリーランスに。様々なゲーム誌に寄稿しながら、攻略本の執筆も行い、関わった書籍数は50冊以上。現在は、Webや雑誌、Mookなどで活動中。近著に『みんなが知りたかった最新eスポーツの教科書』(秀和システム刊)、『ゲーム業界のしくみと仕事がこれ1冊でしっかりわかる教科書』(技術評論社刊)。@digiyas

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