若手も実力者も輝いた注目の大会「第4回 TOKYO METRO CUP ~STREET FIGHTER 6~」【現地レポート&勝者インタビュー】

若手も実力者も輝いた注目の大会「第4回 TOKYO METRO CUP ~STREET FIGHTER 6~」【現地レポート&勝者インタビュー】

3月15日に、esports Style UENOにて、「第4回 TOKYO METRO CUP ~STREET FIGHTER 6~本戦」が行われました。東京メトロカップは、今回で第4回となっていますが、『ストリートファイター6(スト6)』を使用したのは第1回に続いて2回目。第2回はファミリー向けイベントとして『Apex Legends』を、第3回は『オーバーウォッチ2』を使用しています。

第1回東京メトロカップはオフラインながら無観客で行われましたが、今回はesports Style UENOでの有観客オフライン大会となっており、オーディエンスの居る前で対戦することになりました。

大会はesports Style UENOにてオフライン有観客で行われました

前回は一般の部と学生の部のふたつの部門で行われていましたが、今回はひとりで参加するソロ部門とふたりひとチームで参加するデュオ部門のふたつで開催されました。前回は学生部門に年齢制限がなく、鍼灸の専門学校に通う学生のかべ(現cosa)選手が優勝し、一般の部で優勝したひぐち選手よりも年上の選手が優勝すると言う逆転現象が起きたことで、今回のレギュレーションに変更されたのかも知れません。

ソロ、デュオ部門共に3月2日にオンラインで予選を行い、ソロ部門は予選参加者321名からTOP8、デュオ部門は予選参加チーム157組からTOP3が15日の本戦に出場します。ソロ、デュオともに、プロゲーマーや有名トッププレイヤーが参加した大会でしたが、アマチュア選手が多く勝ち残っていたのが印象的です。特にデュオに残った選手はみな若く、新世代の風が吹く大会となりました。ソロ部門で優勝したのは、ストリートファイターリーグでも活躍していていたts選手。デュオ部門で優勝したのは、tako&ナオチームでした。

参加者、出演者、来場者を交えての記念撮影

実力者が集ったソロ部門

ソロ部門です。ソロ部門はts選手とMOV選手の2名のプロライセンス保持者が居ます。他にもジャッシー選手やこばやん選手、でんせつえすぴ~選手などが参加。プロゲーマー以外の6選手はそれらプロ選手を倒してのTOP8進出で、実力者揃いです。

大会レギュレーションはダブルエリミネーショントーナメントでBO3(2本先取)です。TOP8進出者はすべてウイナーズサイドトーナメントから開始します。ウイナーズ1回戦はプロゲーマーが明暗を分けます。ts選手はぎょうざ牛丼選手に勝利しますが、MOV選手はPipokun選手に敗れてしまいます。ここで勢いに乗ったts選手は準決勝でたゆたゆ選手を倒し、ウイナーズファイナルでANNA選手を倒し、優勝に王手を掛けます。

めいきょ~選手対MOV選手

ルーザーズサイドでは1回戦でMOV選手とts選手に負けたぎょうざ牛丼選手が勝ち上がります。しかし、ウイナーズ2回戦からルーザーズに落ちてきたPipokun選手とたゆたゆ選手が勝利し、Pipokun選手がさらに勝ち上がります。ルーザーズファイナルではts選手に再挑戦したいANNA選手でしたが、Pipokun選手が勝利し、グランドファイナルへ進出します。Pipokun選手は丁度1週間前に行われたCAPCOM CUP11のSFLワールドチャンピオンシップでPro-US代表のFlyQuestの3人のメンバーが使用していたことで注目度が急上昇しているキンバリーです。日本では注目度が低いレアキャラと言えるので、その実力を示したいところです。しかも、グランドファイナルでts選手を倒すとなると、MOV選手に続き、プロゲーマーを1日で2人倒すと言う快挙もついてきます。

ここまでずっと豪鬼を出してきたts選手ですが、グランドファイナルでケンを出してきます。これにはケン使いの実況のこく兄も大興奮。試合はフルセットフルラウンドまで行く大接戦。しかも、tsケンが小技1発で倒される体力になってしまうが、そこからジャストパリィで反撃。しっかりとリーサルを逃さず、勝ちきりました。自力の強さやピンチに陥ってから落ち着いて逆転する胆力はさすがプロゲーマー、さすがSFリーガーと感心するものでした。試合後、ts選手に優勝の喜びを聞いてきました。

グランドファイナルを戦うts選手とPipokun選手

【ソロ部門優勝】ts選手インタビュー

――優勝おめでとうございます。率直な感想をお聞かせください

ts選手:ありがとうございます。今日はなんかついていたなっていうのもありますが、自分自身は落ち着いてプレイができたのが良かったと思います。

――SFLの時はケンのイメージでしたが、今回は豪鬼メインだったのは今大会は豪鬼で行こうと考えていたんでしょうか

ts選手:そうですね、今シーズンは、豪鬼に絞ってやっていこうかなって考えています。ただ、豪鬼で分が悪い相手にはケンも出していこうと考えていました。豪鬼を中心に練習していますが、ケンもかなり動かせるので。今日の決勝戦でケンを出したんですけど、そこでもなんとか勝つことができたので、ケンを使うことの自信に繋がりました。

――本戦は負けなしでの優勝でしたが、予選はどうでしたか

ts選手:予選はシード枠をいただいていたんですけど、その初戦がちょっと強い相手だったので、そこが山場でした。なんとか勝利することができ、そのあとはそれほど苦労しなかったですね。

――メトロカップと言えば、第1回で、ひぐち選手とcosa選手が優勝し、その後、ふたりともかなり活躍したプロ選手にとって幸先の良い大会と言うイメージもあるのですが、そこはどうでしょうか

ts選手:はい、そこはちょっと期待したいですね。まあ、自分の活躍を期待するかと言われたらわからないですけど、そういう験担ぎ的なものとして捉えられたら良いですね。というか、実はこういった大会での優勝って初めてなんですよ。なので、それだけですごく嬉しいですね。

――ひびき一家とかでの優勝しているイメージはありますよね

ts選手:そうなんです。チーム戦とかの優勝の経験はあるんですけど、個人戦での優勝はなかったんで、本当に嬉しいです。

――最後に、来シーズンの目標をお願いします

ts選手:マイペースにやって、健康でゲームができればと思います。使用するキャラクターは相変わらず胴着キャラ中心で行きます。豪鬼とケン、豪鬼メインですかね。イヤー3で登場する新キャラ次第と言うのもあります。

――ありがとうございました

ソロ部門で優勝したts選手

注目の若手が集ったデュオ部門

さて、しばしのインターバルを得て、デュオ部門の開始です。予選1位と2位はウイナーズサイド、予選3位がルーザーズサイドスタートです。デュオは若手揃いで、プロライセンス保持者は居ません。もちろん、デュオにプロ選手が参加していなかったということではなく、ニシキン選手やオニキ選手、ぷげら選手など蒼々たるメンバーが参加しており、それら猛者たちを倒してのTOP3です。

デュオ部門の結果と出場選手です

ウイナーズファイナルはプロチームNORTHEPTIONに所属しているSatoru選手とあしゅまる選手のペアとキンバリー使いのトッププレイヤーtako選手とルーク使いのナオ選手のペアです。先鋒戦はあしゅまるJP対takoキンバリー。お互いが1セットを取り合ったのち、Nth_あしゅまる選手が3セット目を取り、勝ちました。次鋒戦はNth_Satoruラシード対ナオルーク。ラシードが終始ペースを握り、危なげなくNthのふたりが勝利しました。

NORTHEPTION所属のSatoru選手とあしゅまる選手

ルーザーズファイナルの先鋒戦はtakoキンバリー対たかだんご舞。試合内容は接戦ながら2セット連取でたかだんご選手が勝利。次鋒戦はナオルーク対雄次郎JP。ここはナオ選手が取り返します。1勝1敗となり、決定戦での決着となります。お互いに代表者を出しての対戦ですが、次鋒戦と同じ組み合わせとなりました。先ほどの接戦とは打って変わり、ナオの一方的な試合展開となります。2セット連取でナオが勝利し、Nthのふたりが待つグランドファイナルには、takoナオペアが進出します。

グランドファイナルはウイナーズファイナルと同じ組み合わせ。先鋒・次鋒の対戦の組み合わせも一緒です。先鋒戦はtako選手が、次鋒戦はNth_Satoru選手が勝利し、延長戦へ。延長戦は次鋒戦と同じ組み合わせでしたが、フルセットフルラウンドからナオ選手が勝利し、リセットとなります。デュオ本戦だけで同じ組み合わせ3回目で、いよいよ決着です。グランドファイナルリセット先鋒戦はNth_Satoruラシード対takoキンバリー。ウイナーズファイナル、グランドファイナルとは違う組み合わせです。先鋒戦はNth_Satoru選手が勝利。次鋒戦はナオ選手が取り返します。これで本当に最後の試合となるグランドファイナルリセット延長戦です。延長戦はNth_Satoruラシード対ナオルーク。このふたりの対戦は3回目、1勝1敗でチームとしても、個人としても決着となります。実力拮抗なだけありフルセットフルラウンドまでもつれ込みます。最後はナオ選手が勝ちきりました。

ウイナーズファイナルで敗北してリベンジを果たしたtako選手とナオ選手

【デュオ部門優勝】tako選手&ナオ選手インタビュー

デュオ部門も優勝チームに話を聞いてきました。

――優勝おめでとうございます。感想をお聞かせください

tako選手:ナオ君は凄く物怖じしないタイプなんですけど、僕は対照的で大会だと普段できていることができなくなっちゃうタイプなんです。なのでナオ君に引っ張って貰った大会でしたが、最後のグランドファイナルリセットでチームに貢献できて良かったです。チームとしては彼を選んで本当に良かったです。

ナオ選手:大会は楽しかったですね

――今回のTOP3はみんな若い選手ばかりでフレッシュな大会の印象でした。お二人は今、何歳なんでしょうか

tako選手:ふたりとも21歳ですね

――予選ではベテランやプロ選手も居たと思いますがいかがでしたか

tako選手:結構強い人とか、ベテランの選手と当たりました。SFリーガーもいました。今回は我々に勢いがあって、その勢いのまま勝てたって感じです。今大会はそういう意味では若手の良さが出た大会だったと思います。

ナオ選手:予選については運が良かっただけだと思っています。『ストリートファイター』シリーズは『SFV』の頃から大会を観戦していたんですけど、その時は強い人が勝つというか、毎回同じ人が上位に居るとか、結構安定したゲームだと感じていました。『スト6』ではいろんな人が活躍できるようになって観る方は楽しいし、最高だなと思います。

――プレイしているうえでの目標などはありますか

tako選手:僕が使っているキャラクターはキンバリーなんですけど、あまり大会では出てこないキャラクターなんですよね。世間的には最上位の強さのあるキャラクターではないと思われていますが、個人的には強い人が使っていないだけだと思っていて、キンバリーの伸び代はまだまだあるはずなので、僕が頑張って、キンバリーの強さを示せればと思っています。

――CAPCOM CUP11のSFLワールドチャンピオンシップではFlyQuestの3人が全員キンバリーを選んで注目された場面もありましたね。

tako選手:まあ、結果的には負けてしまったんですけど、もっと観て貰えれば良いなと思います。

――ルークも一度脚光を浴びたあと、埋もれた印象がありますが、もう一度引き上げたいと言う気持ちがありますか

ナオ選手:ルークは楽しいからやっている感じですね。ルーク愛があると思います。

――ありがとうございました

デュオ部門で優勝したtako選手とナオ選手

細部までこだわりが光る東京メトロカップの魅力

2回目となる『スト6』の東京メトロカップも無事終わりました。若手が特に活躍していたのは界隈にとっても朗報だったのではないでしょうか。

東京メトロカップと言えば、クリエイティブがピカイチな大会だと感じています。実況解説のハイタニさんとこく兄さんが運転手のユニフォームに袖を通しての出演や画面の切り替えの演出、試合中の画面のオーバーレイが東京メトロ仕様になっているなど、独自カラーを出しながら、そのデザイン性の高さは他にないものだと言えます。

解説のハイタニさん、実況のこく兄さん、MCの裏切りマンキーコングの風次さん。花粉症が酷いこく兄さんは途中から鼻にティッシュを詰めて奮闘していました
配信ではグリーンバックに地下鉄の風景が合成されており、吊り広告など細部にもこだわっていました
実況席とゲーム画面が切り替わる時に地下鉄が駅に入ってくるトランジション。東京メトロカップらしさが出ていました
画面左右にある選手名と勝利セット数も地下鉄を彷彿させるカラーとフォントです

ちょうどシーズンとシーズンの間のオフシーズンに恒例で開催されるイベントとして定着していくことも期待しています。画面分配の不具合でオフライン会場でオンライン対戦をしなくてはならなかったり、選手が多少違和感を覚えるセッティングであったりと多少の課題もあったようですが、そこらへんは数を重ねることでノウハウが蓄積され、修正されることでしょう。また、来年の開催をお待ちしております。

eスポーツを精力的に取材するフリーライター。イベント取材を始め、法律問題、eスポーツマーケットなど、様々な切り口でeスポーツを取り上げる。ゲーム情報誌編集部を経て、フリーランスに。様々なゲーム誌に寄稿しながら、攻略本の執筆も行い、関わった書籍数は50冊以上。現在は、Webや雑誌、Mookなどで活動中。近著に『みんなが知りたかった最新eスポーツの教科書』(秀和システム刊)、『ゲーム業界のしくみと仕事がこれ1冊でしっかりわかる教科書』(技術評論社刊)。@digiyas

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