2024年4月6日、韓国・ソウルにて行われる『VALORANT』のインターナショナルリーグ「VALORANT Champions Tour 2024 Pacific Stage 1」(以下、VCT Pacific Stage 1)が開幕しました。
本大会には、日本から「ZETA DIVISION」(以下、ZETA)と「DetonatioN FocusMe」(以下、DFM)が出場。Pacific地域の11チームが、5~6月に中国・上海にて開催される国際大会「Masters Shanghai」への3枠の出場権をかけて争います。
Day1の開幕戦では、「ZETA」と「Global Esports」が対戦しました。マップ1のサンセットでは、「ZETA」が圧倒的な展開で13-1で快勝しますが、マップ2のアイスボックスでは10-13で敗北。マップ3のアセントでは拮抗した戦いを迎えるも、後半でリードした「ZETA」が13-8で勝ち切り、マップカウント2-1で「ZETA」が勝利を収めました。
記事では、試合直後にhiroronn選手に行った単独インタビューの内容をお届けします。また、SugarZ3ro選手が参加した合同インタビューの内容も合わせて掲載しています。
■試合結果
ZETA [2-1] Global Esports
マップ1:13-1(サンセット)
マップ2:10-13(アイスボックス)
マップ3:13-8(アセント)
Kickoff後の準備期間を経て、“みんなでIGL”のスタイルに変化
「Global Esports」との初戦を終えた直後、「ZETA」hiroronn選手への単独インタビューを行いました。今年2月に行われた「VCT Pacific Kickoff」(以下、Kickoff)の後、「ZETA」としてどのような変化があったかについてや、これからグループステージで戦うGroup Alphaのチームの印象などについて聞いています。
――初戦の勝利おめでとうございます! まずは、「Global Esports」戦を終えての感想をお願いします。
hiroronn:「ZETA」はKickoffのときから構成が変わったり、新しい試みが増えたりしています。なので、初戦は少し不安だったんですけど、勝ち切れて良かったなという思いが強いです。
――Kickoff後の準備期間を経て、「ZETA」として変化した部分について教えていただけますか?
hiroronn:まずはマップごとのエージェント構成が、かなり変わっています。あと、役割的なところで、前まではLazさんがIGLをメインでやっていたんですけど、今はそうではなく、みんなでコールするような形になっています。
自分とLazさんが兼業しているというか、みんなでIGLする感じになっていて、ちょっと特殊な試みではあるんですけど。それを今やっているので、そこが心配だったんですが、今回はうまく活かせたのかなと思います。
――マップ1のサンセットでは、各々の得意なエージェントに寄せた構成が見られました。これはチームでどのような話し合いの経緯があったのでしょうか?
hiroronn:Kickoffの後に、「各自の得意なエージェントを多めにしてみよう」という話が出て、それを一度試してみることにしました。そのなかで、サンセットはそれが上手くいったので、使っているという感じですね。
――今hiroronn選手の目線から見て、現体制の「ZETA」の完成度はどれくらいだと感じますか?
hiroronn:構成などをいろいろ変えた影響もあり、まだ少し準備時間が足りないと感じているので、今の完成度は50%くらい。ただ、このリーグはかなり期間が長くて、次の試合も1週間くらい空くので、そのなかでもっと完成度を上げていきたいと思っています。
――韓国での生活を始めてから、少し期間が経ったと思います。hiroronn選手にとっては、海外で生活しながら大会に出るのは初めての経験だと思いますが、今の生活はいかがですか?
hiroronn:自分はずっと実家にいたので、初めて実家から離れることになって、最初は環境の変化に少し不安がありました。でも、チームメイトもコーチもいますし、休日はみんなで交流したりもしているので、全然寂しく感じることはないです。
練習しているときも、やっぱりオフラインの方が顔を合わせて話し合いができて、効率がいいなと思います。今のところまったく苦ではないですし、自分的にもチーム的にも、いい感じに進められていると思います。
――リーグが始まって、週によっては2試合ある(「ZETA」はWeek2に2試合)など、過密なスケジュールになる時期もあると思います。そういった点で、昨年もリーグを経験したメンバーと何か話したりしましたか?
hiroronn:今は特に話したりはしていないですね。これから実際に経験してみないとわからないところも大きいです。
大会を通じて成長し、強敵ぞろいのなかトップ3入りを目指す
――Stage 1のグループステージでは、Group Alphaのチームと戦っていくことになります。これから戦うチームのなかで、特に意識するチームはありますか?
hiroronn:Kickoffで戦ったチームが多くて、「Global Esports」以外は負けてしまったチームなので、そこはもちろん修正していきたいと思っています。意識しているチームとしては、「Bleed Esports」。メンバーも変わっていて、チームの完成度も上がって強くなっていると思うので、警戒しています。
――先日開催された「Masters Madrid」を見て、どのような印象を持ちましたか?
hiroronn:「Masters Madrid」は、去年勝ったチームが負けて新しいチームが多くなっていたり、メタの変化がすごく激しかったりして、1年で去年とは比べものにならないくらいのレベルになっているチームが多い印象でした。
――なかでも「Gen.G Esports」の準優勝など、Pacificチームの活躍が目立ったことについてはいかがですか?
hiroronn:「Gen.G Esports」は韓国人5人で、外国人選手を入れていないチーム。そこは「ZETA」も似ていると思うんですけど、それであそこまでいけるのは、もう本当に素直にすごいと思っています。チームとしての完成度もすごく高いので、見習って自分たちも頑張るしかないという気持ちです。
今年のPacificは強敵がかなり多そうで、韓国チームはみんな強いし、他のチームもメンバーが変わって、去年より全然強いチームが多いと思います。そういうレベルのチームにも勝てるように頑張りたいです。
――ちなみに今回、Stage 1の開幕に合わせて公開されたティザー映像に、hiroronn選手が出演されていましたよね。あの撮影時のエピソードがあれば教えてください。
hiroronn:あれは本物のエレベーターではなくて、セットで撮影したんですよ。そしたら、中に入る人数が多すぎたのか、途中でセットの床が壊れる事態が起きて。床がバーンって抜けちゃって、それがちょっと面白かったです(笑)。
――そんなハプニングがあったんですね。何テイクも撮り直したという話も見かけました。
hiroronn:そうですね(笑)。大変でした。
――それでは最後に、強敵ぞろいのなか「Masters Shanghai」への3枠を争うStage 1への意気込みと、応援してくださるファンの方々へのメッセージをお願いします。
hiroronn:Stage 1はシーズンの中間にあたる大会ということで、まだまだこれから伸びしろもあると思っていますし、大会を通して成長していって、最終的には3位以内に入りたいと思っています。このままチームとしても個人としても、どちらも成長できるように頑張るので、応援よろしくお願いします。
――hiroronn選手、ありがとうございました!
合同インタビューでのSugarZ3ro選手の回答もお届け
試合後には、単独インタビューのほかに、海外メディアを含めた合同インタビューも実施されました。合同インタビューに参加したSugarZ3ro選手への質問と、その回答を掲載します。
――今日の試合を終えた感想を教えてください。
SugarZ3ro:結構タフな試合で、アイスボックスで勝ち切りたかったんですけど、切り替えてアセントで頑張って勝てたので良かったです。
――マップ1のサンセットは圧倒的な勝利でしたが、勝因は何だったでしょうか。また、マップ2のアイスボックスでの敗因は何でしたか?
SugarZ3ro:サンセットはスクリム通りにやって、その通りに勝ったという感じでした。アイスボックスはいつも通りにやろうとしたんですけど、相手の構成があまりやったことがない構成だったので苦戦しました。少しチームでの共通認識がずれてしまったところもあったので、そこを修正していきたいです。
――マップ3のアセントで最も重要だった瞬間はどこだったと思いますか?
SugarZ3ro:攻めでBサイトをずっと攻めていて、そこでリテイクを止めることができていました。そのリテイク勝負に勝てたことが大きかったと思います。
――今回はKickoffで「Global Esports」と戦ったときより、やや苦戦したようにも見えました。Kickoffのときと比べて、戦っていてどう違うと感じましたか?
SugarZ3ro:Kickoffのときと同じような印象もありましたが、アセントで感じたのは、僕らがKickoffでやっていた内容を、すごく対策してきているなということでした。やっぱり撃ち合いはすごく強いチームなので、勝ち切れて良かったなと思います。
――去年と今年の「ZETA」と比べたとき、一番の違いはどんなところだと思いますか?
SugarZ3ro:選手も2人変わっていますが、Carlaoコーチの存在が大きいと思っています。マップの基礎やチームの共通認識をしっかりとするコーチなので、そこがすごく助かっています。
AlphaとOmega各グループから上位3チームがプレイオフに進出
「VCT Pacific Stage 1」では、4月6日~29日にかけてグループステージ、5月3日~12日にかけてプレイオフが行われます。グループステージでは、各グループの上位3チームがプレイオフに進出。プレイオフトーナメントを勝ち抜いた3チームが、「Masters Shanghai」への出場権を手にします。
日本チームの「ZETA」と「DFM」は、ともにGroup Omegaに属しており、まずはGroup Omegaの6チームのうち上位3チームに入ることを目指します。
なお、Day1に発表された情報によれば、プレイオフ進出にはグループ上位3チームに入ることに加えて、最低2勝していることが条件に加わりました。もし2勝を達成しておらず、もう1つのグループに2勝以上しているチームがあった場合は、そのチームが代わりにプレイオフに進出します。
日本チームの試合スケジュールは下記のとおり。「ZETA」の次戦は4月14日(日)、「Team Secret」と対戦。また、「DFM」の初戦は4月9日(火)、韓国チーム「T1」と対戦します。
■「ZETA」グループステージ試合スケジュール
・4月 6日(土):vs「Global Esports」
・4月14日(日):vs「Team Secret」
・4月16日(火):vs「Bleed Esports」
・4月22日(月):vs「Gen.G Esports」
・4月28日(日):vs「T1」
■「DFM」グループステージ試合スケジュール
・4月 9日(火):vs「T1」
・4月15日(月):vs「Gen.G Esports」
・4月20日(土):vs「Bleed Esports」
・4月23日(火):vs「Team Secret」
・4月27日(土):vs「Global Esports」
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