【ZETA・Laz選手単独インタビュー】苦しい敗北からのスタートに――「VCT Pacific Stage 2」初戦後

【ZETA・Laz選手単独インタビュー】苦しい敗北からのスタートに――「VCT Pacific Stage 2」初戦後
Laz選手

2024年6月15日、韓国・ソウルにて行われる『VALORANT』のインターナショナルリーグ「VALORANT Champions Tour 2024 Pacific Stage 2」(以下、VCT Pacific Stage 2)の初戦が行われました。

本大会には、日本から「ZETA DIVISION」(以下、ZETA)と「DetonatioN FocusMe」(以下、DFM)が出場。Pacific地域の11チームが、8月に韓国・ソウルにて開催される世界大会「VALORANT Champions 2024」への4枠の出場権をかけて争います。

Day1の開幕戦では、「ZETA」と「DRX」が対戦しました。マップ1のアイスボックスで「ZETA」は、「DRX」の攻めを止めることができず、0-13で完敗。マップ2のサンセットでは、前半でリードを広げた「ZETA」が逃げ切り、13-11で勝利しました。続くマップ3のブリーズでは、4-13で敗れる結果となり、マップカウント1-2で「ZETA」の敗北となりました。

記事では、「DRX」との初戦を終えた直後に行った、Laz選手への単独インタビューの内容をお届けします。

Stage 2開幕戦、「DRX」との試合を戦った「ZETA」

■試合結果

ZETA [1-2] DRX
マップ1:0-13(アイスボックス)
マップ2:13-11(サンセット)
マップ3:4-13(ブリーズ)

アイスボックスで苦しんだ理由は、大会本番での対応力

――まず最初に、改めて今日の試合の感想を教えてください。

Laz:強かったな、というのが感想ですね。良い試合ができたらいいなと思っていたのですが、アイスボックスで1本も取れず、ブリーズも結構ボコボコにされてしまったので。ただ、サンセットは良い試合ができたと思います。

――1マップ目、アイスボックスでの苦戦はどういった理由が大きかったでしょうか?

Laz:相手のA攻めに対してどうするかが、結局最後まで上手くいかなかったところが明確な問題でした。大会ならではの止まらなさというか。練習では上手くいっているものが、大会で上手くいかなかったときにどうするかは、大会の場でないと解決策が出せません。

終わってから考えてみると、もうちょっと上手くできたなと思いつくのですが、大会のその場で上手く対応する力が足りなかったと思います。

――3マップ目のブリーズも含めて、マップのバンピックで予想外だった要素はありましたか?

Laz:それは特にないですね。

――勝利した2マップのサンセットは、Stage 1で見せたエージェント構成から変化していました。どういった狙いから、今回の構成になったのでしょうか?

Laz:Stage 1のときとは違って、参考にできる試合がたくさんある状態です。なので、今はオフメタを追う必要がないという判断から、この構成になりました。

サンセットでの両チームのエージェント構成。Laz選手はチェンバーからサイファーに変更

――「DRX」はメンバーの変更がありましたが、実際に戦って以前の「DRX」と印象が変わった部分はありましたか?

Laz:対戦していて、よりシンプルに、よりパワフルになったなと感じました。戦い方も含めて、今の『VALORANT』にさらに最適化されていると感じます。

全員IGLのスタイルを維持しつつ、SugarZ3ro選手が中心に

――Stage 1を終えたタイミングで、チームの課題などについて、どのような話し合いがありましたか?

Laz:Stage 1を終えてから、基礎的な部分で上手いチームに劣っているという話を、みんなでしていました。それが少人数戦での負けにつながったり、リテイク勝負での負けにつながったりしていたので。

Stage 1で出た課題については、Stage 2が始まるまでに1ヶ月くらいあったので、かなり集中的に練習しました。マクロの部分に関しては悪くない状態だったので、そこは引き続き、とにかくベースの部分を鍛えていこうという話をしていました。

――基礎的な部分に関しては、Carlaoコーチの影響が大きいという話がStage 1で出ていました。Carlaoコーチの加入から半年が経ちますが、どれくらいものにできている感覚がありますか?

Laz:だいぶ共通認識として、「こういうときはこうしよう」と伝わっているんですけど、もうちょっとかなというのは感じますね。

――共通認識というのは、パターン的に状況に応じた意識をそろえるというイメージでしょうか。

Laz:意識をそろえるのもそうだし、そういうシーンになった瞬間にみんなで話し合って、「これでいこう」と共通認識にする。そのコミュニケーションを大事にしていこうという話もしています。

――Stage 1のとき、IGLをみんなで話し合うスタイルに移行させているといったお話もありました。今はどのような形になっていますか?

Laz:引き続き、5人でしゃべれる人がしゃべっていく状態ではありますが、最近は特にSugarZ3roが頑張ってくれています。Carlaoと一緒に考えて、どういうときにどうするかという全体のコールを、かなり集中的にやってくれていますね。

――どんな経緯からSugarZ3ro選手が中心になっていったのでしょうか?

Laz:CarlaoとSugarZ3roとの話し合いで、Stage 1の結果を踏まえて、自分にできることをやっていこうということでそうなりました。

SugarZ3ro選手

リーグ形式だからこそ、よりチームの基礎力が試される

――Pacificリーグという大会形式が去年から始まり、1年半ほど経ちました。去年はリーグならではの戦い方に試行錯誤する部分もあったと思いますが、リーグへの適応という面では今どのように感じますか?

Laz:気にすべき部分は、去年よりはるかに明確になっていて、それはやはりベースの部分が重要だということです。作戦のおかげで1~2ラウンド取れたとしても、いわゆる初見殺し的な作戦は何度も使えるものではありません。

そのときのメタになっている強い戦い方で、いかに上手く戦っていくか。とにかくベースの部分が強くなければ勝てないということは、はっきりしています。

――リーグで戦うようになったことで、より基礎への意識が高まった部分もあると。

Laz:それもありますけど、結局どれだけマクロで上手くいっても、そのあとの少人数戦で落としたら勝てないので。そういうシーンが頻発していたので、そこを直さなければということで集中的にやっている感じですね。

――去年と今年でルールが変わった部分もいくつかありますが、選手目線で特に違いを感じるところはありますか?

Laz:去年に比べると、試合の間隔が空いているところ。あとは、Stage 1とStage 2で対戦相手が全部違うところが珍しいなと思うくらいですかね。

――去年は毎週試合が続くなか、オーバーワーク気味だった時期もあったようですが、今年はそういった経験を踏まえている部分もありますか?

Laz:ちゃんと休むときは休もうという気持ちもありますし、去年よりスケジュールがハードではないので、個人的にはそこも含めて去年ほどキツさは感じていないです。

Laz選手

プレイオフ進出のためには、落とせない試合が続くStage 2

――Stage 2はGroup Omega内での対戦になり、次は日本チーム対決も控えていますが、意識するチームなどはありますか?

Laz:特にないです。良い試合にしたいと思っているので、一戦一戦に全力でのぞみたいです。

――今回はStage 1からの総合成績でプレイオフが決まるため、よりプレッシャーを感じる部分もあるでしょうか?

Laz:そうですね。勝ち抜けしなければならないことを考えると、もう落としてはいけない試合が続くので、そういう意味でプレッシャーはあります。

――Stage 2では、Week2からマッププールにヘイヴンが戻り、プレイオフからはアビスが追加されるという情報を見ました。チームとしては準備がすごく大変そうですが……。

Laz:マッププールが変わるのは突然なので、やってきたことが無駄になったりもしますけど、前からそうなので(笑)。また来たなという感じですね。

VALORANT Esports APAC地域の責任者Jake Sin氏がマッププールについて言及

――それでは最後に、Stage 2への意気込みとファンの方へのメッセージをお願いします。

Laz:来週からもまた試合があるので、良い試合ができるように頑張っていきたいです。応援してくださる皆さん、本当にありがとうございます。少しでも観ていて楽しい試合にできるように頑張りたいと思います。

――Laz選手、ありがとうございました!

Stage 1とStage 2の総合成績上位6チームがプレイオフへ進出

「VCT Pacific Stage 2」では、6月15日から7月8日にかけてグループステージ、7月12日から7月21日にかけてプレイオフが行われます。Stage 2のグループステージでは、同じグループ内のチームと対戦。日本チームは、ともにGroup Omegaに属しています。

Stage 1とは異なり、Stage 2ではグループに関係なく、Stage 1とStage 2の総合成績上位6チームがプレイオフへ進出。そして、このStage 2プレイオフの上位3チームと、獲得チャンピオンシップポイントが多かった1チームが、シーズンの集大成となる世界大会「VALORANT Champions 2024」に出場します。

チャンピオンシップポイントは、シーズン全体を通した実力を反映できるように設けられた仕組みで、試合の勝利で1ポイント、各グループの上位1チームに1ポイント、KickoffやMastersでの優勝チームに3ポイントが与えられます。

日本チームの試合スケジュールは下記のとおり。「ZETA」の次戦は6月23日(日)、「DFM」との日本チーム対決が控えています。また、「DFM」の初戦は6月17日(月)、「Rex Regum Qeon」と対戦します。

■「ZETA」Stage 2 グループステージ試合スケジュール

・6月15日(土):vs「DRX」
・6月23日(日):vs「DFM」
・6月29日(土):vs「Rex Regum Qeon」
・7月 6日(土):vs「Talon Esports」
・7月 7日(日):vs「Paper Rex」

■「DFM」Stage 2 グループステージ試合スケジュール

・6月17日(月):vs「Rex Regum Qeon」
・6月23日(日):vs「ZETA」
・6月29日(土):vs「Talon Esports」
・7月 1日(月):vs「Paper Rex」
・7月 6日(土):vs「DRX」

「VCT Pacific Stage 2」Week1~Week2 試合スケジュール
「VCT Pacific Stage 2」Week3~Week4 試合スケジュール
「VCT Pacific Stage 2」開幕時点(Stage 1まで)のチャンピオンシップポイント

■関連リンク

「VALORANT Champions Tour JAPAN」公式X
「VALORANT JAPAN」YouTube
「VALORANT JAPAN」Twitch
「ZETA DIVISION」公式X

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