【FENNEL・TENNN選手単独インタビュー】後がない苦境を乗り越えオフライン進出、そしてグランドファイナルへ

【FENNEL・TENNN選手単独インタビュー】後がない苦境を乗り越えオフライン進出、そしてグランドファイナルへ

2024年7月27日、東京都の有明GYM-EXにて、『VALORANT』の国内リーグ「VALORANT Challengers Japan 2024 Split 2」のPlayoff Finals Day1が開催されました。

Playoff Finalsには、Playoff進出6チームのうち上位3チームとなった「RIDDLE ORDER」、「Sengoku Gaming」、「FENNEL」が出場し、Day1のロワーファイナルでは「Sengoku Gaming」と「FENNEL」が激突。この戦いをマップカウント3-1で制した「FENNEL」がグランドファイナルへの進出を決めました。記事では、Day1試合終了直後に行った「FENNEL」TENNN選手へのインタビューをお届けします。

TENNN選手は、2023年9月に「ZETA DIVISION」クリエイター部門に転身し、選手活動を休止していましたが、2024年5月に「FENNEL」への期間限定移籍と選手復帰を発表。TENNN選手を迎えてSplit 2に挑んだ「FENNEL」は、Main Stageでの思わぬ苦戦が続くも、後がない状況からPlayoff進出、そしてオフライン進出をもぎ取りました。

オフラインDay1でロワーファイナルを制した「FENNEL」は、Day2のグランドファイナルに進出。Split 2の優勝と「VCT Ascension Pacific」への出場権をかけて、「RIDDLE ORDER」との戦いにのぞみます。

Day1試合直後、インタビューに応じてくれたTENNN選手

■Day1ロワーファイナル試合結果

FENNEL [3-1] Sengoku Gaming
マップ1:13-9(アセント)
マップ2:9-13(アビス)
マップ3:13-6(ロータス)
マップ4:13-8(サンセット)

苦戦が続くなか、過去の自分にヒントを得た“レイキャビク感度”

――勝利おめでとうございます! まずは今日の試合の感想を教えてください。

TENNN:ひとまず嬉しいの一言ですね。

――オフラインのステージに立つのは久しぶりだったと思いますが、観客に囲まれたステージでのプレイはどうでしたか?

TENNN:自分が良いプレイをしたときに、「ワー!」って歓声が聞こえてくるんですよ。やっぱりそれが気持ちいいですね。前に感じていたのと同じだなって感じがして、最高です。

4マップ目のサンセットではTENNN選手がレイズをピックし、それに対しても会場から大きな歓声が起こった

――今日のTENNN選手自身のパフォーマンスの満足度はいかがでしたか?

TENNN:昨日少しランクをやっていたんですけど、そのときの2分の1くらいのパフォーマンスでした。チームゲームなので、どうしても先頭に行く人が先に倒されてしまうことが多くて、仕方がない部分もありますが、でももっとパフォーマンスが出せたなと思います。なので、明日はもっと出したいです。

――今回「FENNEL」はオフライン出場を決めるまで、ギリギリの状況が続いていました。TENNN選手はSplit 2から加入した立場ということで、大きなプレッシャーがあったのではないかと思います。

TENNN:あと1敗したらPlayoffにも行けないという状況になって、「本当にやばい、どうしよう」という感情が、もう毎日続いていました。勝たないといけないし、いけるだろうという気持ちもあったんですけど、自分が入ってからあまり結果が良くない状態になってしまっていたので、自分自身に対する不安がありました。

――Playoffの途中で、「Masters Reykjavík」のときのマウス感度に戻したというお話がありました。どんなきっかけから、あのときの感度に戻そうと思ったのでしょうか?

TENNN:とある日に、自分の昔の動画を見たんですよ。「Masters Reykjavík」の時期くらいの大会を見返していたら、「俺つえー」ってなって。これがないと勝てないかもと思ったんです。2年前の設定なので結構ギャンブルなんですが、本調子が出るかわからないけど、「とりあえずやってみよう、やるしかない」と思ってやりました。

――苦しい状況のなかで何かヒントを得ようと、過去の動画を見返していたのでしょうか。

TENNN:まさにその通りで、何かを得たいという感じで見ていました。

――それに伴ってモニターの距離も戻されたとのことで、実際にステージでTENNN選手がプレイする姿を見たら、モニターと顔の近さに驚きました。目への負担が心配ですが……。

TENNN:目の病気になったときから、『VALORANT』以外にはほぼ目を使わないように意識しています。ただ、モニターの距離は、パフォーマンスを出すためには近くせざるを得ませんでした。本当に『VALORANT』以外には、できるだけ目を使わないようにしているので、大丈夫だと思っています。

実際にTENNN選手がプレイする姿を目の当たりにすると、モニターと顔が驚くほど近い

――TENNN選手にとっては、やはりモニターはあの近さでないとパフォーマンスが出にくいと。

TENNN:そうですね。僕はクロスヘアを見てエイムしているので、クロスヘアとの距離が近くないと、感覚的に自分の体がついていかない気がして。

――モニターの近さゆえに、目線だけではなく首を動かしてミニマップを見ていますよね。

TENNN:はい。左上のミニマップに加えて、右上のキルログも見ないといけないし、右下の武器(弾数)も見ないといけないし、忙しいです(笑)。それが唯一の欠点ですね。それでも、やっぱりキルすることが一番大事なので。

いつミニマップを見ているかすぐにわかるほど、顔を動かして画面の左上を見ているTENNN選手

ついにたどり着いたグランドファイナル、3-0での圧勝を目指す

――Split 2では特に、各チームかなり拮抗した戦いが続きました。実際にChallengers Japanの中で戦って、レベルなどをどのように感じていますか?

TENNN:Split 1のときはウォッチパーティをしたりしていて、見る側だったんですよね。正直に言うと、そのときは自分が入ったら、かなりいけそうだなと思っていました。

「FENNEL」に入ることになって、最初はいけるだろうと思っていたんですけど、Challengers Japanのレベルが上がっているし、フィジカルもみんな上がっていて。選手を半年くらいやっていなかったブランクもあって、自分の力が思った以上に通用せず、不安になった時期がありました。

――VCT PacificとChallengers Japanを両方を経験したTENNN選手から見て、Pacificと国内ではどんなところに差があるように感じますか?

TENNN:「Sengoku Gaming」に、韓国人選手が2人いるじゃないですか(Jinboong選手、Gwangboong選手)。日本人選手と比べて、やっぱりあの2人だけ動きが違うんですよ。それはPacificでも感じたことで、海外の選手ってものすごく戦ってくるんです。

「それ倒されたらやばいけど」と思うような場面で、どんどん撃ち合ってくる。怖いもの知らずというか、リスクを取っても自分が行けると思ったら行く、みたいな。日本人の考え的には、あまりリスクを取らないプレイをしがちなので、そこの差は感じますね。

――明日はいよいよグランドファイナルですが、対戦相手の「RIDDLE ORDER」にはどのような印象を持っていますか?

TENNN:「RIDDLE ORDER」には、「ZETA ACADEMY」にいた選手が3人います(yatsuka選手、Caedye選手、Aace選手)。もともと自分の下にいた子たちなので、絶対に負けられないというプライドがあります。

Vorzコーチは、僕のことをここまで上げてくれたコーチだと思っています。変な人なんですけど(笑)、若いプレイヤーの扱いが上手いコーチです。でも、やっぱりオフラインでの経験の差があると思うし、今日もオフラインのステージを経験できたので、それを明日活かしたいと思っています。

――それでは最後に、明日に向けた意気込みとファンの方々へのメッセージをお願いします。

TENNN:会場に来てくださった方もいて、ありがとうございます。僕としては今日、3-0で勝ちたかったんですけど、少しひやひやさせてしまったかなと思います。明日は3-0で圧勝したいと思っていますので、応援よろしくお願いします。

――TENNN選手、ありがとうございました!

グランドファイナル進出を決め、抱き合う「FENNEL」の選手たち
ステージ上で「FENNEL」が勝利インタビューに応え、Day1のステージを締めくくった
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