【bazz選手&Nerufiコーチインタビュー】CGZがグループステージ突破！「Predator League」有観客ステージで優勝狙う

2025.1.10 綾本ゆかり

VALORANT

【bazz選手&Nerufiコーチインタビュー】CGZがグループステージ突破！「Predator League」有観客ステージで優勝狙う

2025年1月8日から12日まで、Acerが主催するアジア・パシフィック地域の国際大会「The Asia Pacific Predator League 2025 Grand Finals」が、マレーシア・クアラルンプールにて開催されています。本大会では、『VALORANT』と『Dota 2』の2タイトルが採用されており、1月9日には『VALORANT』のグループステージが行われました。

『VALORANT』のトーナメントには、全16チームが出場し、日本からは国内予選を勝ち抜いた「CREST GAMING Zst」（以下、CGZ）が出場しています。グループステージでは、4チームずつ4グループに分かれ、Bo1の総当たりで対戦。各グループの上位1チームが、有観客ステージで行われるグランドファイナルズに進みます。

「CGZ」はグループステージで2勝1敗となり、オーストラリアの「Next Gen」と勝敗数で並びましたが、「CGZ」が「Next Gen」との直接対決で勝利しているため、「CGZ」のセミファイナル進出が決定しました。試合後、現地にてbazz選手とNerufiコーチにインタビューを実施。グループステージを終えての感想や、グランドファイナルズでの戦いに向けた意気込みを聞きました。

「CGZ」Kapi選手、bazz選手、Brofeld選手、KEN選手、sakurai選手、通訳のleollaさん、Nerufiコーチ

■「CGZ」グループステージ試合結果

CGZ vs Next Gen（オーストラリア）
バインド：13-9

CGZ vs Team Rival (インド）
パール：13-8

CGZ vs Team Secret (フィリピン）
ヘイヴン：5-13

2勝1敗でグループステージ突破、bazz選手は2年連続

――まず最初に、今日のグループステージの試合を終えての感想を教えてください。

bazz：グループステージを抜けられて良かったなと思いますが、個人的には去年グランドファイナルで負けた「Team Secret」相手にリベンジできなかったことが悔しいですね。

Nerufi：グループステージを抜けられたことは良かったですが、最後の「Team Secret」戦では、やりたいことが全然できていませんでした。なので、嬉しさ半分、不安なところもあります。

――bazz選手は去年の「Predator League」にも出場し、「FAV gaming」のメンバーとしてグランドファイナルまで勝ち進みました。今年の大会には、どのような気持ちで臨みましたか？

bazz：去年とはチームが違うというのもありますし、自分たちとしては今「Challengers Japan」で結果を出さなければいけないという状況もあります。なので、いろいろなチームと戦って経験を得て、次につなげていきたいという気持ちですね。

――試合前に、出場チームのレベルが去年より上がっているのではないかというお話をされていました。実際に戦ってみていかがでしたか？

bazz：自分たちは「Team Secret」に負けてしまったんですけど、グループ内で「Team Secret」が2敗していて、他のグループでも「BOOM Esports」が負けたりしています。そういうTier1チームにも勝てるチームが結構いて、Tier2の強いチームがちゃんと上がってきているなという印象です。

――今回「CGZ」は、招待チームの「Team Secret」と同じグループでした。グループ分けが発表されたとき、どういった印象を持ちましたか？

bazz：正直、自分は突破できる気がしなかったです。やっぱり去年「Team Secret」にはボコボコにされているので、若干トラウマなところがありました。

Nerufi：「Team Secret」がいるのは嫌だなと思いましたが、1戦目の「Next Gen」もランクがすごく高い集団だということがわかっていて、相性は良くないと思っていました。

僕らのスタイルはどちらかというとフィジカル重視で、撃ち合いに勝てば勝てますが、「Next Gen」はその撃ち合いに特化している集団だという印象があったので。正直、「Team Secret」より「Next Gen」の方が、1試合目ということもあって怖かったですね。

――グループのなかでも、「Next Gen」と「Team Rival」は聞いたことのないチームでしたが、事前情報はどれくらいあったのでしょうか？

Nerufi：聞いたことがないのは、チーム名が直近変わっているからです。「Predator League」の地域予選で結果を残しているチームで、その試合映像もあるので、裏方のメンバーにいろいろ情報を集めてもらっていました。

むしろ、「Team Secret」だけ情報がなかったですね。他の2チームは11月くらいに試合をしていて、ある程度傾向をつかめる情報がありましたが、「Team Secret」は最後の試合が7月くらいで最近試合をしていなかったので。

――「Next Gen」はオーストラリアチーム、「Team Rival」はインドチームですが、事前情報からそれぞれどういった印象を持っていましたか？

Nerufi：オーストラリア地域のチームは普段スクリムができないので、一番未知でした。彼らはシンガポールサーバーで、僕らはギリギリ香港サーバーまでしかいけないので、地域の強さをあまり把握できていません。

インド地域のチームは香港サーバーでできるので、インド地域のチームとは結構スクリムしたことがあり、何となく地域的な強さには見当がついていました。

――インドチームに対しては、順当にいけば勝てるだろうという印象でしたか？

Nerufi：そうですね。普段通りの実力を出せれば大丈夫だろうと思っていましたが、直前の試合で「Team Secret」に勝ったので「あれ？」とはなりました。でも、普段僕らがスクリムで勝てる相手に負けていたりするので、状況的には勝てる可能性はあるなと思っていました。

――直前の試合では、「Team Rival」が13-3で「Team Secret」に勝利するという予想外の展開がありました。それを見てからの試合でしたが、不安はありませんでしたか？

bazz：ちゃんと強かったですね。逆に、先に試合を見ることができたのでよかったです。マップの最終選択がバインドかパールだったのですが、相手が先にパールをやっていて、こちらはパールの情報を出していない状態で選択できたので、そこはちょっと有利だったと思います。

――会場で見ていて、「CGZ」は1試合目よりも2試合目の方が声が出ているような印象がありましたが、チームの雰囲気はどうでしたか？

bazz：「Team Secret」に大差をつけて勝ったチームだったし、そこで勝ったらグループステージ突破がほぼ決まるような状況だったので、皆かなりそこに全力を注いでいたと思います。

「Team Rival」に勝利し、実質的にこの勝利でグループステージ突破が決まった

――3試合目の「Team Secret」に対しては、どのように戦っていこうと考えていましたか？

bazz：普通にやって普通に勝つつもりではあったんですけど、ヘイヴンは「Team Secret」の得意マップで、相手もちゃんと作戦を持ってきています。去年も戦って感じましたが、スキルの合わせが上手いチームで、自分はわかっていたつもりなんですけど、やられてしまって……。

わかっていたつもりでも、どう対処すればいいか伝えきれない部分もあって難しかったです。あと、相手が思い切ったプレイをしてきていたんですが、それに対処できなかったことも、これからの課題だと思います。

――コーチから見て、「Team Secret」との試合はいかがでしたか？

Nerufi：「Team Secret」との試合では、すでに出したパールかバインドをやりたかったのですが、彼らがファーストBANしてきたので、新しいマップをやることになりました。1～2戦目の感じで戦っていれば、もう少し良い試合ができていたと思いますが、端から見ていて疲れがあったり、気持ちが切れていたりするところがありました。

普段は当たり前にしなければいけない、相手のスキルやウルトの確認とか、コールやピークの合わせとか、そういうものがまったくできていなかったので、そこが残念ですね。実力の半分も出せていなかったと思うので、実際どれくらい通用するのかという判断材料にならなかったところが気がかりです。

――「Team Secret」が1勝2敗で敗退するという意外な結果になりましたが、見ていた試合も含めて印象はいかがでしたか？

bazz：「Team Secret」は今回、メインメンバーが1人いないので、そこが大きかったのかなと思います。あと、グループの他2チームはものすごく声が出ていたんですよ。それに比べると、「Team Secret」は試合自体が久々だったこともあってか、あまり声が聞こえてこなかった試合もあって、他2チームの気合いの入り方が違ったかなという印象もありました。

各グループの番狂わせで「優勝の可能性がかなり上がった」

――「CGZ」は、「Predator League」と「Red Bull Home Ground」の国内予選で立て続けに優勝して注目を集めました。ただ、その後「Challengers Japan」のSplit 3では、思うような結果が出なかったと思います。これにはどういった要因があったのでしょうか？

Nerufi：いろいろと変化にトライした結果、上手くいかなかったという感じですね。役割とかロールとかエージェントとか、いろいろ選手の意見を踏まえながら試していたのですが、少し迷走してしまいました。

――この大会に向けて、元に戻したというイメージですか？

Nerufi：元に戻したというより、むしろもっと変えました。1トライ目から、さらに2トライ目にいったというか。もともと「Red Bull Home Ground」のときも、練習期間が2週間くらいしかない状況で出ていたので、何が正解なのかわかっていなかったんです。

ロール的に、他のチームよりもプールが狭いという課題があって、誰が適性があるかといったところからいろいろ試す必要がありました。そういう流れで、Split 3は上手くハマらなかった時期という感じでした。

bazz：Split 3に関しては、自分たちがいろいろ大会に出ている分、練習時間も短いし、本番で構成を全部バラしているので、不利な要因があったと思います。メンバーが集まって間もないうえに、構成を変えなければいけないけれど、その時間も足りないという状況でした。グループも正直あまり運が良くなかったし、いろいろ負ける要因が重なったと思います。

――「CGZ」はオフライン経験が少ない選手が多かったなか、「Red Bull Home Ground」の両国国技館での試合でも今回の「Predator League」でも、オフラインでの経験を積めています。そういった面での成長はいかがですか？

Nerufi：オフライン慣れは本人次第なので、あまりわからないです。ただ、両国では大半がほぼ初めてだったので、パフォーマンスが出切っていない選手もいて、そういったところが改善できれば全体的なパフォーマンスが上がるだろうなというのはありました。

bazz：自分はオンラインでもオフラインでも、あまり変わらないです。ブロさん（Brofeld選手）はオフラインの方が強い場面が多いように感じるので、むしろオフラインの方が強い可能性がありますね。

――bazz選手は去年の「Predator League」で、セミファイナルで「BOOM Esports」にBo1で勝ってグランドファイナルに進出しました。今年は有観客ステージでの対戦がすべてBo3になります。

bazz：Bo3の方が良い経験になるし、ありがたいですね。観客ありでたくさん試合ができるのは嬉しいです。

――このインタビュー時点では、セミファイナルの対戦相手がまだ決定していませんが（※）、どのチームと戦いたいですか？

bazz：グループDの「Alter Ego」はあまり知らないチームですが、このなかだと勝率が一番高そうなのはグループCの「ZOL Esports」です。グループCには「BOOM Esports」がいましたが、2勝1敗で3チーム並んでスコア差での決着になったと思います。このあたりは、Bo1ゆえですね。

戦って一番経験になりそうなのは、グループBの「Xipto Esports」。グループBは「Disguised」とか、強いチームがいたんですが、そのなかで3-0で勝ち上がっているので強いと思います。

※インタビュー後、「CGZ」の対戦相手は「Alter Ego」に決定

――今年はどのグループも全体的に、番狂わせが起きている感じでしょうか。

bazz：上がってきそうだったチームが全部負けてますね。逆に、自分たちが優勝できる可能性がかなり上がっているので、今年はいけるかもしれないです。

――強豪チームの多くが敗退したとなると、その分チャンスが大きいですね。

bazz：そう考えると、自分の中では「Team Secret」に負けたことが一番つらいですね。去年と同じような負け方をしてしまって。グループステージを突破したのに悲しい……。一番勝ちたいチームだったのに、思ったより何もできなかったことが悲しいです。

勝てなかったとしても、例えば11-13とか、それくらいまでいけたら良かったですけど、結構ボコボコにされてしまったので、そこが気がかりです。でも、切り替えていけるチームが強いと思うので、しっかり切り替えて頑張ります。

――それでは最後に、グランドファイナルズに向けた意気込みとファンの方へのメッセージをお願いします。

bazz：『VALORANT』のこういった国際大会で、日本が優勝したことはまだないので、ここで優勝して日本は強いというところを見せたいです。応援いつもありがとうございます。時差もあまりない（1時間）ので、ぜひ応援よろしくお願いします。

Nerufi：50%くらいは勝てそうなので、いける気がします。

――それは優勝できる可能性がということですか？

Nerufi：そうです。今日の3試合目のような感じにならなければ、いけるかなと思います。頑張ります。