2日間で計256ラウンドの死闘を勝ち抜き、「VCJ 2024 Split 1」の優勝を果たした「FENNEL」試合後インタビュー
2024年3月30日から31日にかけて、愛知県のポートメッセなごやにて、『VALORANT』の国内リーグ「VALORANT Challengers Japan 2024 Split 1」(以下、VCJ 2024 Split 1)のPlayoff Finalsが開催されました。
Playoff Finalsには、Playoff進出6チームのうち上位3チームとなった「REJECT」、「FENNEL」、「Sengoku Gaming」が出場。Day1のロワーファイナルでは、「FENNEL」と「Sengoku Gaming」が5マップに渡る大激戦を繰り広げ、この戦いを制した「FENNEL」がグランドファイナル進出を決めました。
Day2のグランドファイナルでは、「REJECT」と「FENNEL」が激突。この日もフルマップに突入、さらには3度もオーバータイムにもつれ込む熾烈な戦いがくり広げられましたが、最終マップを勝ち切った「FENNEL」が「VCJ 2024 Split 1」の優勝に輝きました。
「FENNEL」は、昨年の「VCJ 2023 Split 1」でも優勝を果たしており、これが2度目の国内優勝となります。記事では、Day2終了後のプレスカンファレンスにて行われた「FENNEL」のインタビューをお届けします。
■Day1(ロワーファイナル)試合結果
FENNEL [3-2] Sengoku Gaming
マップ1:13-15(ブリーズ)
マップ2:13-11(ロータス)
マップ3:14-12(アセント)
マップ4:7-13(バインド)
マップ5:13-9(スプリット)
■Day2(グランドファイナル)試合結果
FENNEL [3-2] REJECT
マップ1:16-18(バインド)
マップ2:13-3(サンセット)
マップ3:14-12(ロータス)
マップ4:18-20(ブリーズ)
マップ5:13-9(アイスボックス)
メンバーがお互いに声を掛け合い、乗り越えた2日間の激闘
――「VCJ 2024 Split 1」優勝おめでとうございます。大熱戦を制しての優勝となりましたが、改めて今日の試合を振り返っていかがですか?
CLZ:ものすごく長いラウンド数を戦って、すごく疲れた試合だったんですけど、みんな頑張ってくれて勝てたので、本当に良かったと思います。
――昨日からかなりタフな試合が続き、体力や集中力の面で大変なところもあったと思いますが、最終マップでも集中力を保っていたように見えました。実際に戦っていてどうだったか、チームでどんなふうに声を掛け合っていたか教えてください。
SyouTa:昨日に引き続き今日もタフな試合で、今日の4マップ目のブリーズで、自分を含めてみんなの体力をもうほぼ全部持っていかれていて、しんどいんじゃないかなと思っていました。
自分1人でも、寿命を削ってでも燃え尽きようと思っていたんですが、GONさんから「お前は後悔しないプレイを出せばいい」とか、Xdllから「行けると思ったときに行け」とか、味方からそういう自分のことを信じてくれる言葉をたくさんもらって。
そのおかげでやる気というか、本当に「何でもできる」という自信がすごく湧いて、もう体力もないはずなのに、最後のマップだけは疲れとか、そういうことは何も感じなかったです。
――今日は特に、マップ1、マップ3、マップ4がオーバータイムで、大変タフな試合だったと思います。そういった状況をどのように乗り越えましたか?
GON:乗り越えられてない試合もあるんですけど(笑)。乗り越えた試合のなかでどう取り組んでいたかというと、ラウンド後のみんなの「大丈夫、大丈夫」という声掛けですね。
どのプロ選手に聞いても、「やっぱり声掛けですね」みたいなことを言うと思うんですけど、実際に大会で自分があの場でプレイしていると、「味方の声掛けってこんなにありがたいものなんだ」と本当に改めて実感できました。
Derialy:僕は最後の方のマップになるにつれて、自分のプレイスタイルや行動が本当に正しいのかなと悩んでいました。でも、後悔するくらいならやり切って終わろうと、そういう思いでプレイしたことで乗り越えられたのかなと思います。
――昨日はXdll選手以外の調子があまり良くなかったというお話がありましたが、今日は「FENNEL」として2回もエースが出るなど、すごく調子が良かったように見えました。今日の皆さんの調子はいかがでしたか?
CLZ:今日は本当に味方が強くて、一人でも欠けていたら負けていた内容だったので、みんな強かったと思います。
――昨日から何か改善したことや、変わったことはありますか?
CLZ:前日にみんなで良い睡眠を取ろうと努力しました。
目指すのは、「VCT Ascension Pacific」での優勝
――昨日の「Sengoku Gaming」戦も、今日の「REJECT」戦も、どちらもかなり接戦の展開でした。コーチの目線で、両チームに対して「FENNEL」が一歩上回ることができた理由は、それぞれどんなところにあると考えていますか?
Euler(コーチ):僕目線ではどちらの試合も一貫して、練習でやったことがそのまま反映されていたと感じます。勝ったマップも負けたマップも、各々のパフォーマンスも、それまでの練習でどうしていたか、前日どう過ごしたかまで、全部がつながっているとしみじみ思います。まわりのサポートを含めて、僕たちが今までやってきたことが一歩上回ったという感覚です。
――GON選手は今回、Dep選手のコラボマウスパッド(Pulsar ES2 4mm XL Dep Editionの赤色)を使用されていたようですが、それについて教えてください。
GON:あまり大きな声では言えないんですけど、Depさんとは親友の関係で、交友の一環としてもらった……というのは嘘で(笑)。僕がおねだりして、しぶしぶもらったんですけど、それで力を借りて今日プレイしました。
――実際にマウスパッドは使って良かったですか?
GON:実際はちょっと一瞬怒られるかもっていうパフォーマンスを出しかけたんですけど、最終的には強かったので、Depさんはニコニコだと思います。
――Xdll選手はVCJ開幕前、反省期間があって個人練習に専念されていたと思います。Split 1を通しての凄まじいパフォーマンスは、その賜物なのではないかと思いますが、個人練習での内容や1日のスケジュールなどを教えてください。
Xdll:朝起きてから半日以上、寝たりごはんを食べたりする以外は、ずっとランクやデスマッチにこもっていました。
――ご自身でも、昨シーズンと比べて進化したという実感はありますか?
Xdll:そうですね。やっぱりそれはすごく感じます。
――前体制におけるhiroronn選手の枠を、現在はDerialy選手が担っていると思います。Derialy選手の強みや、チームに与えている影響について教えてください。
CLZ:Derialyくんは、すごく練習に真面目なのが良いところだと思います。プロ選手にとって、真面目に取り組むことが一番難しいと思っているのですが、そこの部分が欠けていません。しかも、チームの雰囲気が悪いときも、率先して自分から声を出してくれて、チームの雰囲気をガラッと変えてくれる選手です。あと、フィジカルが強いです。
SyouTa:僕らは今年始まってから、メンバー全員そろって練習してきました。そのなかで、一番落ち着いてコールやインフォを出している選手ですし、常に敵の状況や今の状況を冷静に味方に伝えることができるので、そこはhiroronn選手にも負けないんじゃないかなと思います。
――それでは最後に、「VCJ 2024 Split 2」、そして「VCT Ascension Pacific」に向けた意気込みと、ファンへのメッセージをお願いします。
CLZ:今回Split 1で優勝できて本当に嬉しいんですけど、僕たちの目標はAscensionで優勝することなので、気持ちを切らさずに全力で走り抜けたいと思います。本当にいつもありがとうございます。これからも応援よろしくお願いします。
今年の「VCT Ascension Pacific」は東京での開催へ
続く「VCJ 2024 Split 2」のPlayoff Finalsは、東京の有明GYM-EXにて、7月27日から7月28日にかけて開催されることが決定。そして、さらに「VCJ 2024 Split 2」の優勝チームが出場する「VCT Ascension Pacific」が、今年は東京にて開催されることが発表されました。
「VCT Ascension Pacific」は、インターナショナルリーグ「VCT Pacific」への出場権をかけた国際大会で、各地域の代表10チームが1枠をかけて争います。昨年の「VCT Ascension Pacific」はタイ・バンコクにて行われ、「SCARZ」が決勝に進出する活躍を見せましたが、惜しくも準優勝となり「VCT Pacific」出場権を逃す結果になりました。
この「VCT Ascension Pacific」での優勝を目指す「FENNEL」は、日本のファンが見守るステージで、その目標を叶えることができるのか。まずは、来月から始まる「VCJ 2024 Split 2」の戦いを見届けましょう。「FENNEL」がシード権を得た「VCJ 2024 Split 2」のメインステージは、5月20日よりスタートします。
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