2024年9月26日、ドイツ・ベルリンにて開催されている『League of Legends』(以下、LoL)の世界大会「2024 League of Legends World Championship」(以下、Worlds 2024)にて、「Fukuoka SoftBank HAWKS gaming」(以下、SHG)のプレイインステージでの初戦が行われました。
「SHG」は国内リーグ「LJL 2024 Summer Split」で優勝を果たし、アジア太平洋地域リーグ「PCS 2024 Summer Split」に出場。上位2チームのみが得られる「Worlds」への出場権を獲得し、アジア太平洋地域「PCS」代表チームとして参戦しています。
初戦の相手は、ベトナム地域「VCS」代表チームの「GAM Esports」(以下、GAM)。試合はBo3で行われ、「SHG」は0-2での敗北となりました。記事では、試合直後に行った「SHG」Evi選手への単独インタビューの内容をお届けします。
「Worlds 2024」初戦を終えたEvi選手にインタビュー
――まずは、本日の初戦を終えての感想を教えてください。
Evi:ちょっとあっけなく負けてしまったなという感じですね。
――対戦相手の「GAM」に対して、チームではどのように戦っていこうと話していましたか?
Evi:「GAM」は、スタイルがはっきりとあるチームです。でも、僕らもはっきりとしたスタイルのチームなので、相手のことを考えすぎず、僕らの強いプレイをしていこうという話をしていました。
――実際に戦って、特にどういったところに難しさを感じましたか?
Evi:相手に対してという部分もありましたが、僕ら側の問題が大きかったなという感じがしますね。普段の練習や「PCS」でしていたような落ち着いたプレイができなくて、焦りが目立ったプレイが多かったかなと思います。
――「SHG」には「Worlds」初出場のメンバーが3人いますが、やはり初戦ならではの緊張感があったのでしょうか。Evi選手から見て、チームの雰囲気に普段との違いを感じた部分はありましたか?
Evi:本人たちに聞いてみないとわからないですが、やっぱり緊張はあったんじゃないでしょうか。みんな本番になると声が大きくなって、まわりの声が聞こえづらくなってしまったりするので、そういうところも慣れが必要なのかなと思いますね。
――1ゲーム目が終わった後のインターバルでは、VicaLコーチからのフィードバックなどを含めて、どのような話をされましたか?
Evi:インターバルでは、僕らも予想はしていたのですが、相手のLevi選手のシヴァーナがかなり手強かったので、それをバンしようという話をしていました。あとは、落ち着いてプレイしようという話をしていましたね。
――その後、2ゲーム目での雰囲気はいかがでしたか?
Evi:2ゲーム目のほうがましではあったんですけど、それでもやっぱりまだありましたね。
――本番ならではの焦りがあったと。
Evi:焦りというよりは、興奮してしまって自分の声が大きくなって、まわりのコールが聞こえなくなるような、そういう感じですね。
――今回、Evi選手は2ゲーム続けてランブルをピックされていました。このピックについてはどういった狙いがありましたか?
Evi:ランブルとオーロラは、パワー的にはオーロラのほうが若干高いですが、僕的にはランブルも十分いけるマッチアップだと思っています。オーロラを取られる分、他のピックが取れるので、それを優先しました。
――Evi選手にとっては、昨年「Team Heretics」のメンバーとして過ごしたベルリンに「Worlds」で戻ってきた形になりました。それに関するエピソードがあれば教えてください。
Evi:スタジオに機材チェックやリハーサルで来たときに、「LEC」のスタッフの人たちが「Welcome back Evi!」と言ってハグしてくれて、すごく嬉しかったですね。結構みんなそうしてくれるので、僕のことを覚えていてくれたんだなと思って、ジーンと来ました。
―― Evi選手は「Team Heretics」を離れたあと、選手を続けるかどうか自体を悩まれていたという話がありました。今年の活躍を考えると、Evi選手がいないシーンは想像もつきませんが、「Worlds」を戦っている今それを思い返すとどう感じますか?
Evi:そのときのことを思い返すと、実力的にプレイできるとは間違いなく思っていました。ただ、プロが引退するというのは、実力が落ちてきたからではなく、モチベーションの維持が難しくなったから辞めることが多いと僕は思っています。
モチベーションが保てない状態でチームに参加するのは、チームのメンバーにもファンにも失礼なこと。だから、その1年をやり切るモチベーションを持てると思えないなら、やるべきではないと考えているんですよね。
そういう意味で、そのときはモチベーション的な面で難しさを感じて、プロ以外の道を考えるのも悪くないんじゃないかと思っていました。でも、やっぱりプロはすごく面白いし、やってよかったなと本当に心から思いますね。もちろん大変ですけど。
――ベテラン選手として、「Worlds」初出場の選手を含む「SHG」をこの舞台まで導いてきたとも言えると思います。試合の内外で、経験値を活かしてチームを支えようとか、引っ張っていこうと意識されている部分はありますか?
Evi:引っ張っていくというほどではなくて、正直僕もそこまでは背負えないと思うんですけど、僕がこれまでに学んできたことを伝えたりはしていますね。
例えば、試合中は一定のトーンで話そうとか。こういう国際戦では、みんなストレスが溜まって爆発寸前の状況になるから、事前に備えようねという話を先にしておいたりとか。僕や僕のチームが今まで失敗してきたことを伝えるようにしています。
――今年のプレイインステージは、半数の4チームが突破できる形になりました。Evi選手もしくはチームとしての、現時点での目標があれば教えてください。
Evi:一旦スイスステージですね。プレイインを突破せずに、さらに上の目標なんて語れないので、まずはスイスステージへ行くことが目標です。
――次の対戦相手がどちらのチームになるかまだわかりませんが(第2試合の結果により「100 Thieves」に決定)、次の試合に向けた意気込みを教えてください。
Evi:もうやるしかないので、肩の力を入れすぎず、楽しんでやっていきたいなと思います。
――それでは最後に、応援しているファンの方々へのメッセージをお願いします。
Evi:今回は負けてしまったんですけど、僕らはいつでもどんな状況でも、諦めずに前を向いているので、皆さんも一緒に前向いていきましょう!
――Evi選手、ありがとうございました!
続くはロワーブラケットでの「100 Thieves」との対戦へ
初戦で敗北した「SHG」は、負ければ大会敗退となるロワーブラケットに移ります。同日に行われた第2試合で、「Rainbow7」に1-2で敗れた「100 Thieves」がロワーブラケットへ移り、「SHG」の次の対戦相手は「100 Thieves」に決定しました。
「Worlds 2024」は、プレイインステージ、スイスステージ、ノックアウトステージの3つで構成され、プレイインステージからは上位4チームが次のスイスステージに進出します。「SHG」と「100 Thieves」の試合は、9月29日(日)0時ごろよりスタート(28日21時よりスタートする配信の第2試合)が予定されています。
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