
3月5日より、両国武道館で開催されている『ストリートファイター6(スト6)』の世界大会のCAPCOM CUP 11(CC11)の最終日は、「ストリートファイターリーグ」のワールドチャンピオンシップです。Pro-JP(日本)、Pro-US(北米)、Pro-EU(欧州)のチャンピオンが一堂に会し、世界一のチームを決定します。

大会レギュレーションは、まずは予選として3チームで巴戦を行い、勝敗数の高い順に決勝ラウンドに進出します。1位抜けがホームスタート、2位抜けがアウェイスタートです。予選ではどちらかの相手がホームとアウェイになります。予選は本節と同じルールで、ホームアンドアウェイ方式の3対3の星取戦です。BO3の先鋒・中堅は勝利したチームに10ポイント、BO5の大将戦は勝利したチームに20ポイントが入ります。同点になった場合はBO1の延長戦が行われ、勝利したチームに5ポイントが入ります。先述した通り、優先されるのは勝利数で、ポイントの優先度は2番目で、同じ勝利数で並んだ場合はポイントの差で予選抜けの順位が確定します。ホームアンドアウェイ方式は、対戦するチームのどちらかがアウェイとなり、先に3人分の出場選手のオーダーを発表します。ホームとなったチームは、そのオーダーに対して、ひとりずつ対戦前にオーダーを決めることができます。
出場するのは、Pro-JPからGood 8 Squad(G8S)、Pro-USからFlyQuest(FQ)、Pro-EUからNinjas in Pyjamas(NIP)の3チームです。
初戦はアウェイのG8SとホームのNIPの一戦です。G8Sは先鋒・ガチくん選手(ラシード)、ぷげら選手(ジュリ)、大将・カワノ選手(豪鬼)の布陣です。これに対してNIPは先鋒にPhenom選手(キャミィ)、中堅にBig Bird選手(ラシード)、大将にAngryBird選手(豪鬼)で挑みます。しかし、すべて返り討ちにあい、40-0でG8Sが勝利します。

2戦目はホームのG8SとアウェイのFQです。FQは先鋒・Psycho選手(キンバリー)、中堅・Shine選手(キンバリー)、大将・Punk選手(キャミィ)のオーダー。これに対してG8Sは先鋒・カワノ選手(豪鬼)、中堅・YHC-餅選手(ダルシム)、大将・ぷげら選手(ジュリ)を出してきます。先鋒のカワノ選手が勝利しますが、中堅、大将が敗北し、10-30でG8Sは敗北となりました。

3戦目はホームのFQとアウェイのNIPです。NIPは先鋒・ChrisCCH(テリー)、中堅・Big Bird選手(ラシード)、大将・AngryBird選手(ケン)でFQを迎え撃ちます。ホームのFQは先鋒にPhenom選手のキャミィ、中堅にShine選手のキンバリー、大将にPunk選手(キャミィ)を当ててきました。NIPは40-0で勝利しないと予選抜けができない状況で、FQは勝てば1位抜けが確定します。結果は30-10でNIPが勝利。これによりG8Sが1位抜け、FQが2位抜けで決勝戦へコマを進めました。

決勝戦はプレイオフと同じ方式で、先に70ポイントを獲得したチームが優勝です。3対3の団体戦方式は変わらず、大将戦が終了して決着がつかない場合は、ホームとアウェイが入れ替わって、また先鋒戦から始まります。延長戦は存在せず、同点でも次の巡目に移行します。
FQがアウェイスタート。先鋒・Psycho選手(キンバリー)、中堅・Shine選手(キンバリー)、大将にPunk(キャミィ)の布陣です。G8Sは先鋒のカワノ豪鬼が負け、中堅のガチくんラシードが勝利し、10-10に。しかし大将のぷげらジュリが敗北し、ホームの優位を活かせず10-30で一巡目が終了します。二巡目はアウェイのG8Sがオーダーを先に発表。先鋒・ガチくん選手(ラシード)、中堅・ぷげら選手(ジュリ)、大将・カワノ(豪鬼)です。FQは先鋒のPsycho選手(キンバリー)、ChrisCCH選手(ED)を出し、連勝します。これで50-10と大幅リード。大将戦でPunk選手が勝利すれば優勝が確定します。このピンチにカワノ選手(豪鬼)がPunk選手を逆三たてし、ピンチを脱します。

三巡目はFQがアウェイ。なんと出してきたオーダーは3人ともキンバリー。これには会場も騒然。ただ、相手がオーダーを無視できるのでアウェイのオーダーとしては十分に価値のある作戦と言えます。G8Sは最大のピンチは脱しましたが、それでも不利な状況です。先鋒、中堅が10ポイントなので、このどちらかは負けても敗退になりませんが、残り4戦中3勝をしなくてはならず、大将戦は必ず勝たなければなりません。先鋒はぷげら選手(ジュリ)が出陣し、中堅はガチくん選手が続きます。これを両方勝つことができ、ポイントは50-50となり、大将戦で勝利したチームが優勝となりました。キャミィでは1セットも取れなかったPunk選手ですが、キンバリーでも苦戦を強いられます。2セット連取されてしまいます。しかし、ここから底力を見せ、2セットを取り返し2-2のイーブンに、さらにお互いがラウンドを取り合い、フルセットフルラウンドまでもつれ込みます。最後はカワノ選手がパーフェクト勝利を収め、G8Sが優勝しました。

試合の結果
G8S対NIP
先鋒 ○ ガチくん 対 Phenom ●
中堅 ○ カワノ 対 Big Bird ●
大将 ○ ぷげら 対 AngryBird ●
FQ対G8S
先鋒 ○ カワノ 対 Psycho ●
中堅 ● YHC-餅 対 Shine ○
大将 ● ぷげら 対 Punk ○
NIP対FQ
先鋒 ○ Phenom 対 ChrisCCH ●
中堅 ● Big Bird 対 Shine ○
大将 ○ AngryBird 対 Punk ●
決勝戦
FQ対G8S
一巡目
先鋒 ○ Psycho 対 カワノ ●
中堅 ● Shine 対 ガチくん ○
大将 ○ Punk 対 ぷげら ●
FQ 30-10 G8S
二巡目
先鋒 ○ Psycho 対 ガチくん ●
中堅 ○ ChrisCCH 対 ぷげら ●
大将 ● Punk 対 カワノ ○
FQ 50-30 G8S
三巡目
先鋒 ● Psycho 対 ぷげら ○
中堅 ● Shine 対 ガチくん ○
大将 ● Punk 対 カワノ ○
FQ 50-70 G8S
©CAPCOM

eスポーツを精力的に取材するフリーライター。イベント取材を始め、法律問題、eスポーツマーケットなど、様々な切り口でeスポーツを取り上げる。ゲーム情報誌編集部を経て、フリーランスに。様々なゲーム誌に寄稿しながら、攻略本の執筆も行い、関わった書籍数は50冊以上。現在は、Webや雑誌、Mookなどで活動中。近著に『みんなが知りたかった最新eスポーツの教科書』(秀和システム刊)、『ゲーム業界のしくみと仕事がこれ1冊でしっかりわかる教科書』(技術評論社刊)。@digiyas