2024年10月19日から20日にかけて、東京・両国国技館にて『VALORANT』の公式オフシーズントーナメント「Red Bull Home Ground 2024 APAC Qualifier」が開催されます。本大会では、11月20日から23日にかけてドイツ・ベルリンで行われる「Red Bull Home Ground 2024」に出場する、アジア太平洋代表チームが決定します。
招待されたのは「ZETA DIVISION」（以下、ZETA）、「DetonatioN FocusMe」、「T1」、「Talon Esports」、「Rex Regum Qeon」（以下、RRQ）の5チーム。そして、先日開催された日本予選を勝ち抜いた「Crest Gaming Zst」（以下、CGZ）を合わせた、計6チームが出場します。
記事では、10月17日に大会開催に先がけて行われた、「ZETA」への事前インタビューの内容をお届けします。インタビューには、Dep選手、SugarZ3ro選手、CLZ選手、 SyouTa選手、Xdll選手、XQQコーチが登壇しました。
「ZETA」は先日、新体制を発表。CLZ選手、 SyouTa選手、Xdll選手、Johntaコーチが「FENNEL」から移籍加入し、XQQさんがクリエイター部門からコーチへ転向したことが発表されています。
発表されたばかりの新体制「ZETA」にインタビュー
――新たなメンバーがそろい、既にスクリムなどもされているかと思いますが、新ロスターになったチームの印象はいかがでしょうか？
SugarZ3ro：ガラッと変わったかなと思います。IGLとしてCLZさんが入って、チーム全体の動きやマクロがすごく上手くなっていると思うので、大会が楽しみです。
――今チームのリーダーを担う選手はどなたか決まっていますか？
Dep：……どっちかな？ 今、写真とかは真ん中でと言われるんですけど、ゲーム内ではCLZさんがずっとやっているので、どっちかわからないです。
XQQ：あまり明確には決めていないです。全体的に、CLZとDepが上手くまとめてくれています。
――新体制の発表時に、XQQさんの肩書きがアソシエイトコーチとなっていましたが、どういった役割を担うコーチなのでしょうか？
XQQ：ヘッドコーチの下にアソシエイトコーチがいて、その下にアシスタントコーチがいるという感じで、基本的にはヘッドコーチであるJohntaの仕事をサポートします。かつ、Carlaoがブラジル人、Johntaがウクライナ人なので、日本チームとしてというところで、プレイヤーのこともよく知っていますし、そこを上手くまとめるのは自分の仕事かなと思っています。
――JohntaコーチとCarlaoコーチの役割も簡単に教えていただけますか？
XQQ：基本的な戦術面に関してはJohntaが指揮を執っていて、それをCarlaoや僕がサポートしています。CarlaoはAmericasで「FURIA Esports」として戦っていた経験がありますし、Johntaはもともと『Counter-Strike 1.6』のころからヨーロッパで戦っていて、今は日本のシーンに長くいるので、どちらにも理解を持っています。
なので、いろいろな国の戦術から、自分たちに合うものを持ってくるというのが、かなり実現しているかなと。ただ、まだチームとして始まったばかりなので、細かいところはこれから決めていく部分なのかなと思います。
――新体制での練習期間と、今チームとしてどういった段階にあるのかについて教えてください。
CLZ：練習期間はちょうど1ヶ月くらいで、今練習しているものはチームの基礎。連携部分にフォーカスして練習していて、作戦などは期間的にもあまり準備はできていないので、地盤をつくっているような状態です。だから、完成度で言ったら全然まだ、10％、20％というと嘘かもしれないですが、実感的にはそれくらいなのかなと思っています。
――CLZ選手から見て、IGLをする上でこのチームをどのように感じますか？
CLZ：圧倒的に撃ち合いが強いので、盤面的にこちら側がそもそも有利に進んでいるようなシーンが多くて。今までは、有利をつくり出すためのコールが結構必要だったんですけど、「勝手に有利になってるな」みたいな場面が多くてやりやすいですね。
――現時点で感じている「ZETA」の強みがあれば教えてください。
Dep：圧倒的に個人の力かな。今まで感じたことがないくらい、みんなパワーもそうだし、『VALORANT』が上手い、強い。自分が先頭で撃ち合って負けても、誰かが勝つんじゃないかという感じで、信頼できます。
――アストラの星が5つになり、かなり強力になったと思います。SugarZ3ro選手とSyouTa選手はアストラで有名になった選手だと思いますが、アストラの使用を期待してもいいでしょうか？
SugarZ3ro：星が4つの時代から、ちょくちょく使っていたチームもあるということは……あるかもしれないですね。
SyouTa：自分は昔、2年ほど前に一度アストラを使っていたんですけど、さすがに間が空きすぎていて、下手だった場合クビにされちゃうので、ないんじゃないかなと思います（笑）。
――Xdll選手は2022年の「VCT Champions」で、スタンドインとして「ZETA」に在籍されていました。当時は出場することができませんでしたが、改めて正式に「ZETA」に加入することになった気持ちを教えてください。
Xdll：あのときは本当に悔しい気持ちで、いつか見返したいという気持ちがあったので、本当に嬉しいです。
――Dep選手から見て、当時のXdll選手と比べて、2年間でどれくらい進化したように感じますか？
Dep：自分は当時から、かなりコーチ陣やマネージャーに「こいつはやばいぞ」と勧めていたんですけど、でもあのときは練習期間的にTENNNさんが出られるんだったら、そうしようということになりました。この2年で基礎がかなり固まって、FPSが上手くなったという感じがするし、エイムもすごく安定したと思います。あと、爆発力が上がりましたね。
――XQQコーチはどのタイミングでどういった理由から、クリエイター部門からコーチに戻るという決断をされたのでしょうか？
XQQ：Lazが引退して、「やっぱりVALORANT部門の顔が必要だな」という自覚を持ってクリエイター部門から戻ってきたんですけど（笑）。もともとクリエイターとしての期間で、格ゲーなど他ジャンルの人と関わらせていただいて、競技シーン自体に戻りたいという気持ちはすごくありました。
ただ、いろんな理由で戻る気がなかったんですけど、今回いろいろ説得を受けたり、新しいメンバーやコーチの布陣を見て、「これだったらやってみたいな」という気持ちになったので。あとは、Lazの代わりとして。Lazが抜けたから俺が入る、俺が抜けたらまたLazが戻って来る。たまにcrowが戻ってきたりする（笑）。そういう感じです。
――クリエイター部門にいた間、格ゲーでコーチングされる側を経験したり、格ゲーマーのゲームとの向き合い方に触れたりしたと思います。そういったところから新しく得られたものはありましたか？
XQQ：それまでなかなか自分がコーチングを受ける機会はなかったので、クリエイターになってから格ゲーで教えてもらう立場になって、コーチングを受ける側の目線をある程度理解できました。それを長い間忘れていたなと、その立場になって感じましたね。なので、プレイヤーの目線に立って、コーチングしていけたらいいなと思います。
――選手の目線で、XQQコーチが以前と変わったと感じるところはありますか？
Dep：ちゃんと気を遣うようになったかな（笑）。
XQQ：まるで俺が気を遣ってないかのような……（笑）。まぁそうですね、頑張ります。
――CLZ選手が思う最終的なチームの形として、どんなチームにしていきたいかというビジョンはありますか？
CLZ：日本やアジアのチームで課題だったフィジカルも、僕はこのメンバーだったらもう満たしていると思うので。マクロ面や戦術面でも圧倒して、どこのチームにも勝てるくらい、勝ち続けられるチームに最終的にはしたいと思っています。
――本大会で、戦ってみたい選手や注目している選手がいれば教えてください。
SyouTa：自分は「RRQ」と戦ってみたいですね。「RRQ」に所属しているJemkin選手は元チームメイトで、今はお互い違うチームにいますが、改めて同じフィールドに立って戦ってみたいです。
――最後に、本大会に向けた意気込みをお願いします。
CLZ：新しい「ZETA」になって初めての日本大会なので、たくさん応援してくれる人がいると思います。その期待に応えられるよう、頑張りたいと思います。応援よろしくお願いします。
SugarZ3ro：練習が始まって1ヶ月くらい、みんなの強いところを見てきて、強いチームだなとすごく実感しています。それを大会で出して、良い結果を残せるように頑張りたいと思います。応援よろしくお願いします。
Xdll：日本チームは、「ZETA」が世界3位まで行ったとき以降、あまり結果を残せていないイメージが続いていると思うので、これを機にそのイメージを覆していきたいと思います。応援よろしくお願いします。
Dep：今までは自分のスタッツを気にして大会に挑むこともあったんですが、そんなのどうでもよくて、とりあえず勝ちたい。勝つために、できることは全部やって頑張ります。
SyouTa：自分からしたら、今までと次元が違うくらい緊張することになると思います。チームメンバーがものすごく強いとわかっているので、彼らの足を引っ張らないように、頑張って追いついていきたいと思います。よろしくお願いします。
XQQ：チームの合流的には僕がたぶん一番最後だったのですが、このメンバーやコーチ陣で本当に自分たちがやるべき『VALORANT』というか、戦い方や戦略的な部分はまだまだ見えていない部分もあり、今大会に関しては体験版ぐらいの気持ちで見ていただけたらと思います。
DepとSugarは長いですが、リーグに初挑戦する選手が3名いますし、いろんなプレッシャーや注目をできるだけ和らげて、安心して活躍できる場をつくっていくのが僕の仕事だと思っています。
「ZETA」はグループステージで「T1」と「CGZ」と対戦
本大会ではグループステージにて、2グループに分かれてBo1での総当たり戦を実施。各グループ上位2チームが準決勝に進出し、最下位チームは敗退します。準決勝ではBo3で対戦し、勝利したチームがBo5での決勝戦を戦います。
グループ2に振り分けられた「ZETA」は、DAY1の2試合目に日本予選突破チーム「CGZ」と対戦。4試合目に、韓国チーム「T1」と対戦します。
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