【DFM・Art選手単独インタビュー】「国際大会を意識するあまり、良いプレイより勝ちたい気持ちがあった」VCT Pacific Stage 1初戦後

【DFM・Art選手単独インタビュー】「国際大会を意識するあまり、良いプレイより勝ちたい気持ちがあった」VCT Pacific Stage 1初戦後

2025年3月22日、韓国・ソウルにて開催される『VALORANT』のインターナショナルリーグ「VALORANT Champions Tour 2025 Pacific Stage 1」(以下、VCT Pacific Stage 1)が開幕しました。

本大会には、日本から「DetonatioN FocusMe」(以下、DFM)と「ZETA DIVISION」が出場しています。グループステージでは6チームずつに分かれて戦い、各グループの上位4チームがプレイオフに進出。ダブルエリミネーション形式のプレイオフを勝ち抜いた3チームが、国際大会「Masters Toronto」への出場権を獲得します。

Day1の開幕戦では、「DFM」と「Global Esports」が対戦。「DFM」はこの初戦を0-2で敗北し、黒星スタートとなりました。記事では、「Global Esports」との初戦を終えた直後に現地で行った、Art選手への単独インタビューの内容をお届けします。

Stage 1開幕戦を戦った「DFM」

■試合結果
DFM [0-2] Global Esports
マップ1:7-13(ロータス)
マップ2:11-13(パール)

「Masters」出場を意識するなかでの初戦のプレッシャー

――まず最初に、今日の試合の感想を教えていただけますか?

Art:今日の試合の感想は……良くなかったです。まず大会初戦というのがあって、動きがおかしくなっていたのもありますし、僕個人としてはマクロが本当に良くなかった。自分1人の力で解決しようとして、ゲームの大枠のマクロも良くなかったし、どうやってファイトするかとか、最後の決め切る少人数戦とか、そういう小さい枠も全部良くなかったです。

――試合前日に「DFM」のYouTubeチャンネルで公開されたインタビュー動画では、不安やプレッシャーについて触れる選手も多かった印象です。今日もチームではそういった雰囲気がありましたか?

Art:それはあって、今日はもう大会前の練習の段階から、僕は結構メンタルがやばくて。いろいろ一波乱あったし、それで切り替えて大会に入ろうってことで、気持ちを切り替えて試合にのぞんだんですけど、ただ単純に内容が良くなくて負けたという感じですね。

――試合前には、「勝ちに追われすぎている」といった内容のツイートもされていました。それほどプレッシャーが大きいということですよね。

Art:そうですね。この初戦は結構大事な試合だと思っていて、この後に韓国チーム2つと、「Paper Rex」、「BOOM Esports」 との試合があります。僕個人の見解ですけど、僕は韓国チームがあまり得意じゃないから、すごく大事な一戦というか。それ以外でちゃんと勝っていくことが大事だと思っていて、プレッシャーも半端なかったです。

あと、今までと比べて自分もチームも、より本格的に国際大会を狙おう、「Masters」出場を目指そうというStage 1だから、それゆえにというところも大きいです。

Art選手

「Global Esports」との戦いで苦しめられた要因は?

――今回の「Global Esports」との試合は、戦っていて何が一番苦しかったですか?

Art:自分たちの動き……。今日はマクロで負けていたから、70%くらい自分のせいですね。ロータスは特に自分の中でも自信があるマップなんですけど、今までで一番良くなかったです。パールは結構チームとしての問題が大きかったと思うんですけど、ロータスはもう自分が悪いなって。だから、やってて本当に気持ち悪かったですね。

――それはメンタル的な影響も大きかったのでしょうか?

Art:メンタルとかではなくて、普通に回答を出すのが遅かったです。回答が出たラウンドは、もう相手にウルトがたくさんあって、ウルト3つ使われて負けてしまった。相手は12ラウンドで2回ウルトを使っているけど、僕らは1回しか使ってないから、それはラウンド差が開くよなって。相手をよく見て、攻めはカムバックできる感じだったんですけど、守りはまじで最悪でした。

――ラウンド的に追いかける展開が続いたのは、そういった要因があったということでしょうか。

Art:最近の『VALORANT』はすごくウルトが強いから、ウルトをどう使うかがすごく大事なんです。でも、単純に先に相手にウルトを使われてしまったし、Kr1stalに2段をやられた場面なんかは、どっちがウルトで主導権を握るかという一番大事なラウンドだったのに、あれをやられてしまったので。

パールも同じですね。 4ラウンド目のエコラウンドを落としていなかったら、こっちが主導権を握って、9-3で折り返しとかになっていたと思います。そういう大事なラウンドを落としてしまって、回答が出たときにはどうしようもなかったという感じでした。

――最近のエージェントやメタへの対応というところについてはいかがですか?

Art:忙しいですよね。本当にいろいろなチームの構成があって、相手の「Global Esports」の構成って、「G2 Esports」が使っていた構成だとヴァイパーで、それがメタなんです。ただ、おそらくピックプールの問題だと思うんですけど、サイファーを使っていて、そのサイファーに壊された感じですね。

そういうところに対応ができないと負けるくらい、いろんなチームが色を持っているので。今日は相手のピックがメタからちょっと外れていたので、やられたかなという部分がありました。

――今回、2マップ目のパールではAkame選手のチェンバーなど、チームとして変化をつけていた部分があったと思います。これにはどういった狙いがありましたか?

Art:狙いとしては、肌感に合っているからですね。 僕はスキルが少ない構成でゲームをするのが好きで、僕たちの肌感に合っていたので、その構成を使いました。なかでも、Akameはいろいろなエージェントが使えるから、それでいこうということになりました。

――2マップ目では、なかなかタイムアウトを取らなかったと思いますが、これにはどんな理由があったのでしょうか?
Art:僕の中で回答が出ていたから、コーチがタイムアウトは要らないという判断をしていました。1マップ目のアタッカーで通ったときに、僕がタイムアウト要らないというコミュニケーションをして、なので僕の対応力を信じてくれて、取らなかったのかなと思います。

ステージ上で円陣を組む「DFM」と「Global Esports」

グループ突破の前に、目の前の問題を解決することが重要

――中国でのオフシーズン大会のときに、Art選手がインタビューで「『いつも通りやろう』という言葉が嫌い」と言っていたのが印象的でした。先ほど、合同インタビューでMeiy選手が「練習通りできなかったことが課題」と言っていたのですが、矛盾する内容ではなく、それぞれ言いたいことのニュアンスが違うと思います。改めて、この考え方についてお聞きしてもいいですか?

Art:僕は本当に「いつも通りやろう」という言葉は、何も信用していません。ただ、具体的にどう勝つかどう負けるか。「Rex Regum Qeon」戦で負けてから、本当にその部分、どうやって具体的に勝つかの部分をすごく大事にして練習してきました。

さっき試合が終わって控え室で話していて、自分でも考えて回答が出ていたのに、それをできなかったから……。いつも通りが嫌いというのは、そりゃいつも通りのプレイができたらいいですよ。けど、絶対にできないから、どう具体的に回答を出すかなんです。

Meiyが言っているのは、自分たちの強みを上手く出せなかったみたいなことですね。試合が終わったあとに、Meiyと少し話したので。Meiyのファイトシチュエーションって、本来だったらもっと良いけど、今日はあまりにもキツかったりとか。

Meiyはエイムがあるから、ローテしてからすごく強いプレイヤーなんですけど、ローテする前にもうゲームが終わってしまっているとか。そこがいつもと違っていたんじゃないかと思います。でも、本当に「いつも通りやろう」っていう言葉はまじで嫌いです。

――試合本番のなかでしっかり考えて、回答を出すという意味が大きいということですよね。

Art:そうです、はい。

――そういった試合への向き合い方で、他にも意識していることはありますか?

Art:喜ばないことですね。試合を勝ち切るまでは。これは1回そういう負け方をしてからは、すごく大事にしています。もっと言うと、勝った負けたをそもそも気にしないほうがいいと思っています。今日も勝てなかったのは悔しいけど、次に同じことをやらなかったら絶対に勝てる自信があるので。

今は本当に、国際大会がチラつくシーズンというか、国際大会への出場が非現実的ではないくらい、ここまでの結果が良かったからこそ、国際大会を意識してしまって。今回のプレイはそれが原因で、良いプレイより勝ちたいという気持ちが日頃から出ていた結果だと思います。

――Stage 1では、まずはグループ突破を目指すことになりますが、それに対しての自信はいかがでしょうか。

Art:今日の問題が解決できなかったら厳しいだろうなと。 今日の状態では何度プレイしても勝てないと僕は思います。だから、グループ突破とかは一旦考えられないですね。まずはこの問題をどう解決するかのほうが大事だと思っています。

――それでは最後に、Stage 1の意気込みとファンの方々へのメッセージをお願いします。

Art:これまでちょっとカッコつけて、結果で楽しんでもらうみたいなニュアンスのことを言っていたんですけど、結果を追ってというよりは、自分たちのプレイに貪欲に、練習も大会も頑張っていきたいです。

自分たちのプレイを見てもらって、その上手い下手で応援したくなるようなチームにしていけるように、Stage 1を通して頑張っていくので、応援よろしくお願いします。 

――Art選手、ありがとうございました!

「DFM」は次戦で、韓国チーム「DRX」と対戦。3月30日(日)に行われるDay5の2戦目、19時ごろの開始が予定されています。

グループステージWEEK 1~3の試合スケジュール
グループステージWEEK 3~5の試合スケジュール
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