【IGZIST・oitaN選手&shoushiコーチインタビュー】「Predator League」インドでの経験を糧に次なる挑戦へ

【IGZIST・oitaN選手&shoushiコーチインタビュー】「Predator League」インドでの経験を糧に次なる挑戦へ

2026年1月8日から11日にかけて、Acerが主催するアジア・パシフィック地域の国際大会「The Asia Pacific Predator League 2026 Grand Finals」が、インド・ニューデリーにて開催されました。本大会では、『VALORANT』と『Dota 2』の2タイトルが採用されており、1月8日には『VALORANT』のグループステージが行われました。

『VALORANT』のトーナメントには、全16チームが出場し、日本からは国内予選を勝ち抜いた「IGZIST」が出場しました。グループステージでは、4チームずつ4グループに分かれ、Bo1の総当たりで対戦。各グループの上位1チームが、有観客ステージで行われるグランドファイナルズに進みます。

「IGZIST」はグループステージで2勝1敗となり、同グループで3勝0敗のベトナムチーム「FCY」に勝利数で敗れ、惜しくも敗退となりました。試合後、現地にてoitaN選手とshoushiコーチにインタビューを実施。グループステージを終えての感想や、今後に向けた意気込みを聞きました。

インド・ニューデリーにて、グループステージを戦った「IGZIST」。(左から)gainpeコーチ、SID選手、kAyle選手、popogachi選手、oitaN選手、Frxeez選手、shoushiコーチ
4グループの試合結果。各グループの上位1チームがセミファイナルへ進出

■「IGZIST」グループステージ試合結果

IGZIST  vs  FCY(ベトナム)
カロード:12-14

IGZIST vs S8UL(インド)
ヘイヴン:13-7

IGZIST vs E-KING(オーストラリア)
ヘイヴン:15-13

2勝1敗で惜しくも敗退、その熱戦のなかで得たものとは?

――試合お疲れ様でした。まずはグループステージを終えての感想を教えてください。

oitaN:1戦目の「FCY」との試合では、前半に海外大会特有の硬さがありました。そのなかで、IGL(popogachi選手)やコーチを中心にみんなでどう戦っていくか話した結果、後半の巻き返しにつながったのですが、惜しくもオーバータイムで負けてしまいました。

その後、2戦目と3戦目は勝てはしましたが、結局1戦目で勝てなかったことによってグループ敗退ということになってしまって……。一言で言えば、悔しいですね。

shoushi:基本的には同じ感想です。もし試合順が違っていたら、最初から2~3戦目のパフォーマンスで1戦目に臨めていたら、もしかしたら結果が変わってたかもしれないと思います。

ただ、1戦目で「FCY」に勝っていたとしたら、3戦目の「E-KING」戦で、最後の最後にものすごく緊張してしまったかもしれない。オーバータイムに持ち込んだあと、「FCY」戦と同じ結果になっていたのかなと考えると、結果的に2勝1敗という結果が現状の自分たちの限界点だったのかなと、不思議と納得できる感じがします。

――1戦目の惜しい敗北のあと、チームではどのように声を掛け合っていましたか?

oitaN:1戦目の最後の感覚が全員、満場一致で良かったという印象だったので、「この感じでいこう」と話していました。なので、2戦目は最初からその状態で臨めていました。

大会専用シャトルで会場入りする「IGZIST」。会場はインド最大級のコンベンションセンター
グループステージの試合は、ホール内に設営されたチームブースから出場
チームブース横に設けられたコーチ席で話し合うgainpeコーチとshoushiコーチ

――3試合目は、直前の試合で「FCY」が「S8UL」に勝利して3勝を獲得したことにより、「IGZIST」のグループ突破が叶わないことが決まってしまった状況でした。3試合目に臨むにあたって、チームではどんな話をしていましたか?

oitaN:もちろん勝つのは前提として、楽しんでやろうという雰囲気でした。試合を見てくれている人のため、応援してくれている人のために、良い試合を見せようという気持ちが大きかったです。

shoushi:3戦目も、やるからには勝とうと話していました。1勝2敗で終わるのと2勝1敗で帰るのとでは全然内容が違いますし、今後の自信にもつながります。

まもなく「Challengers Japan」のAdvance Stageが控えていますが、そこでの対戦相手にも「IGZIST」は簡単に倒せるチームではないと、そう思わせることができれば意味があります。今回の「E-KING」戦の内容は、我々の今後を考えるとすごく良い機会だったと思います。

あと、「E-KING」とはブースが隣同士だったので、お互いに声を出し合って、すごいことになっていたんです。「E-KING」側がラウンドを取ると、「ナイス!」という声がヘッドセット越しでも聞こえてきて。逆にこっちがラウンドを取ったときも、向こうに聞こえるように「ナイス!」と声を出していました。

oitaN:やり返しました(笑)。

――私たちの席から試合中の姿は直接見られなかったのですが、両チームのどんどん大きくなっていく声が聞こえていました。

shoushi:最初は試合を見てくれている人のためにという感じだったのが、気づいたらプライドマッチになっていましたね。

oitaN:やっているうちにどんどん熱くなっていって、もうこれが決勝かというくらいの熱になっていました。競技者としての負けず嫌いなところが出た試合でしたね。

――3戦目は試合後に、「E-KING」の選手たちがブースにやってきて、和気あいあいと交流していましたね。

oitaN:拳で語り合った仲みたいな感じで(笑)。「E-KING」の選手に、「お前のオーディンやばかったぞ」と言ったり、向こうも「ファントムの抜きすごかったな」と言ってくれたり。

熱戦を終えて、ブースにやってきた「E-KING」の選手たちと交流
「IGZIST」と「E-KING」で2チーム揃って写真撮影

――お互いを称え合っていて、すごく良い雰囲気でした。他チームの選手たちとの交流は、あの場面以外にもありましたか?

oitaN:挨拶くらいはありましたが、一緒に写真を撮ったりするほどの交流は、あの試合後だけでしたね。

shoushi:特に積極的に海外選手と交流していたのは、popogachiでした。休憩中にいろいろな選手と交流していたみたいです。

――英語でコミュニケーションしていたのでしょうか?

shoushi:英語だと思います。ただ、彼は英語を話せるわけではないので、パッションで単語を並べてゴリ押しで(笑)。今回、準決勝に進出した韓国チームの「IAM」の選手とも、すごく仲良くなっていましたね。

――日本予選を開催したAcer Japanの担当者は、「出場した皆さんがこの大会を通じて得たものがあれば嬉しい」と話していました。今大会で得られたものはありますか?

oitaN:たくさんあります。なかでも、自分的に大きかったのは、「対戦相手もみんな人間なんだな」という感覚が得られたことです。オンラインで対戦していると相手の顔が見えないですが、実際にオフラインで会ってみると、相手にも「勝ちたい」とか「負けたくない」という気持ちがあって、緊張しているんだなと。

そう思うと自分の緊張も解けて、パフォーマンスの安定につながった気がします。今までは漠然と対戦相手と戦っている感覚でしたが、ちゃんと人と人が戦っているんだと実感できて、より気持ちが入るようになったし、モチベーションも変化した気がします。

――コーチの目線ではいかがでしょうか?

shoushi:一番の収穫は、SIDとのコミュニケーションでした。今「IGZIST」は日本人3名、韓国人2名の選手で構成されています。kAyle選手は日本での生活が長く、日本語でのコミュニケーションにまったく問題ありませんが、SIDは日本語を勉強しながら活動しています。なので、どうしてもオンライン上では難しいコミュニケーションもあったのですが、今大会を通して、みんなとSIDの距離を縮めることができました。

あと個人的には、趣味である程度勉強していた英語が、問題なく通じるという体験もありました。一方で、わかってはいたのですが、インドの方が話す英語がものすごく難しいなと……。ただ、やはりこうした活動のなかでは、最低限の英語は話せた方がいいなと感じました。

oitaN:そうですね。選手活動をするうえで、英語力ってすごく大事なんだなと実感しました。こうした海外大会でのコミュニケーションに限らず、オンライン上で情報収集するときも、やはり英語の記事が多いので。

shoushi:オンライン上の情報も和訳されるころには、もう賞味期限が切れている内容も多いので、そういう面でも英語は必要だと感じますね。

新たな体制で経験を積んだ「IGZIST」、次なる挑戦へ

――現在のチーム体制についてもお聞きしたいと思います。日本予選後、2名のメンバー変更が行われていますが、現メンバーでの練習期間はどれくらいでしたか?

shoushi:現メンバーでの練習を始めたのは、日本予選が終わって1週間後くらいからです。アカデミーの選手を含めて、さまざまな選手のトライアウトを行い、SIDとFrxeezの2名の加入が決まりました。

――どういったチームを目指して、SID選手とFrxeez選手の獲得に至ったのでしょうか?

shoushi:まず第一に、絶対的なデュエリストが必要だと考えていました。チーム運営やコーチ陣で、どんな選手をスカウティングすべきか話し合って、真っ先に出てきたのは、やはりデュエリスト。絶対的なデュエリストがいないチームは、「VCT Pacific」でも「Challengers Japan」でも勝てていません。過去1~2年間の「IGZIST」に、最も足りていないものはデュエリストのパワーでした。

SIDは当初、言語面で難しいかなと考えていた部分もあったのですが、実際にプレイを見てみたら、ものすごく上手くて。我々が求めていた、足りないピースを埋めてくれるようなプレイヤースキルを持っていると感じました。

kAyleもデュエリストをやれる選手ですが、常に高い水準でパフォーマンスがキープでき、振れ幅が少ない選手です。そういう選手にこそ、縁の下の力持ち的な役割を任せたいという気持ちがありました。

Frxeezは、去年の段階ではデュエリストメインでした。ただ、今はカロードでオーメン、ヘイヴンでヨルといった、多種多様なロールができることを証明してくれています。なので、Frxeezはデュエリストだろうと考えているチームからすると、「IGZIST」がいったいどういう構成でやってくるかわからないという、不気味さを兼ね備えたチームにできたのかなと思っています。

SID選手
Frxeez選手
kAyle選手

――現在の5人になって、チームの雰囲気はどうですか?

oitaN:「IGZIST」はpopogachiが完全なムードメーカーで、もうpopogachiの色に染まっている雰囲気ですね(笑)。popogachiが中心になって、例えば「今日はゴリゴリいこう」とか「今日は消極的にやってみよう」とか、いろいろなことを試したりもしています。

――今回の日本予選では、「Challengers Japan」に出場しているチームの多くが出場を見送っていました。そうしたなか、「IGZIST」としては今大会の出場にどういった狙いがあったのでしょうか?

oitaN:海外大会に出場できる機会は本当に少ないので、その経験をしたかったというのが第一にありますね。

shoushi:身も蓋もない言い方をすると、「そこに大会があったから出た」という。

oitaN:そうですね、大会があったから出ました(笑)。

popogachi選手
oitaN選手

――他チームは時期的に、メンバー変更のために5人揃っておらず、出場が難しいチームが多かったと考えられるでしょうか。

oitaN:そうですね。エントリーの時期は、メンバーがまだ2~3人決まっていないチームが多く、それで出場が難しかったケースが大部分だったと思います。「IGZIST」にはアカデミーがあるので、アカデミーのメンバーを入れて出場できたことが大きいですね。僕たちとしては、アカデミーの育成につながるという面もありました。

shoushi:多くのチームが出場を断念した背景として、「Challengers Japan」Split 1が「Predator League」終了直後に始まることも大きいです。過去2年、「FAV gaming」と「CREST GAMING Zst」が、「Predator League」で良い成績を残したけれど、直後の「Challengers Japan」では上手く結果を出せませんでした。

スケジュール的にも、海外渡航の直後に「Challengers Japan」が開幕するので、体調的にベストパフォーマンスが出せないことを懸念するチームもあったと思います。そういった背景から、「Predator League」の出場は見送って、「Challengers Japan」に臨むほうが合理的なのではないか、という空気があるように感じます。

ただ、そのうえで今回は、「Predator League」も「Challengers Japan」も両取りする勢いで行こうという目標を立てていました。その考えは、インドに渡航する前から、チーム全体で共有していました。

――今後の「Challengers Japan」に向けて直していきたい課題や、どんなチームにしていきたいかといった考えを教えてください。

oitaN:今回の大会で大会特有の硬さが目に見えてわかって、しかもその硬さをほぐす方法もこの大会中にわかったので、そこは活かしていきたいです。あとは、例えば有利を取ったときの気の引き締め方や細かいコミュニケーションなど、そういったところを「Challengers Japan」までに直していきたいと思います。

shoushi:対戦相手からすると、不気味なチームに見えていると思うので、その不気味さをどんどん極めていこうかなと思っています。

oitaN:僕らは選手それぞれのロールの幅がすごく広くて、全員が全ロールできるくらいの器用さを持ったチームなので。

shoushi:oitaNにデュエリストやらせようかな。

oitaN:それはどうかな(笑)。

――それでは最後に、応援してくださった方々へのメッセージと、今後の「Challengers Japan」への意気込みをお願いします。

oitaN:予選から応援してくださったファンの皆さん、本当にありがとうございます。グループステージ突破とはなりませんでしたが、今後の「IGZIST」に期待できる試合内容だったかと思うので、今後も応援していただけると嬉しいです。

「Challengers Japan」のAdvance Stageもグループステージなのですが、今回の大会でグループステージならではの雰囲気もかなり掴めたと思います。今回の大会経験を糧に、「Challengers Japan」で勝っていきたいです。

shoushi:まずは応援してくださった皆さんに、ありがとうございますという感謝の言葉と、グループステージを突破できず申し訳ないという謝罪の言葉をお伝えしたいです。

今後は、まずは「Challengers Japan」Split 1のAdvance Stageをなんとしても抜けること。これは絶対に達成しなければならないという気持ちなので、そこに対して全力で向かっていきたいです。

――「Challengers Japan」での活躍も応援しています。ありがとうございました!

■「Predator League」グループステージ配信アーカイブ
https://www.youtube.com/live/_dQglg630uw?si=CVFtNLSNF_LMzK3H

■関連リンク
Predator Gaming日本公式アカウント:https://x.com/PredatorJPN
「IGZIST」チーム公式アカウント:https://x.com/IGZIST_GG
oitaN選手:https://x.com/oitaN_vl
shoushiコーチ:https://x.com/shoushikun

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